ゆきちゃん (2003年2月の日記より)

2月14日(金)

ご存じの方も多いでしょうけれど
今年、2003年は<鉄腕アトム・イヤー>だそうである。
手塚治虫先生は、アトムの誕生日を、2003年4月7日に設定された。
そういうわけで、
俄然注目をあびているのが、ホンダのアシモ君。
鉄腕アトム・イヤーにちなんで企画されたイベントを始め
あちこちでレンタルに引っ張りだこだそうだ。
先日の新聞で
ホンダの技術研究員は
<一家に一台アシモ>を目指しているようなことを言っていた。
<一家に一台アシモ>かぁ・・・・・・・・・。
楽しいような、夢のまた夢のような・・・・・・・・・・・。


もちろん、今の段階だと、大変なことになるだろうな
とは思う。


例えば・・・・・・・・
我が家にアシモがやって来た。
仮に名前を<ゆきちゃん>としましょうか。
一応、補助要員(現在は3人必要)無しで、動けることにして。
ゆきちゃんと私は、こういう生活をすることになるでしょう。







優しい優しいゆきちゃん。
けれども・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。





そう、
このロボットの知能は、今は、人間で言えば5歳だったか、3歳だったか・・・
とにかく、火が扱える年齢ではなかったはず。
<絶対に、火を扱ってはいけない!>とプログラミングされているだろうから
当然





と、なるはず。
ま、ガスの火を止めるくらいは出来るかもしれない。
そして、100歩譲って、ゆきちゃんは、あの手でコーヒーを入れることも出来たとしましょう。
でも、あの足元の危うさでは





と、なるのでしょう。
かくして、ゆきちゃんとの毎日は





こんな感じかな??





それにしても、<事実は小説より奇なり>とは、よく言ったもの。
私は、こういう
<とことん非力で無力な人間型ロボット>
に、お目にかかることになるとは
40年生きてきて、チラとも考えたことがなかった。
だって、SF漫画や映画・小説に登場する人型ロボットって、皆、ものすごく優秀。
鉄腕アトムだって、もんのすごいスーパーロボットだし
ちょっと抜けてるC3POやR2D2にしたって、私なんかの1000倍は高い人工知能を持っていた。
そう
人間の出来ないことを
軽々とやってのけてくれる万能マシーン♪♪♪♪♪
それが私の知ってるロボットだったのだ。



現実の2003年のゆきちゃんは、発展途上段階。
手塚先生の描かれた未来より、
人工知能の開発は、まだまだ随分とゆっくりのようだ。

それでも、私は、ゆきちゃんが家にいてくれたら面白いかな、とも思う。
けなげで、一生懸命で、忠実で
でも、て〜〜んで役にはたたないロボット。
それは、おバカでけなげな犬と暮らすように
ほのぼのと楽しい毎日なのかもしれない。
   (そんなゆきちゃんも、50年後には、ハルみたいに賢くなって
    人間を殺したりするようになるんだろうか?)


ともあれ、今はまだ、お間抜けで愛らしいゆきちゃん・・・じゃなかったアシモ。
まだしばらくは
我々に、朗らかで楽しい夢を見させてください。
科学の進歩も、悪いことばかりじゃないよ、という夢。



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