●その時代、すべての者がアレグリアを目指した
かつて、世界中の羨望を集める黄金と称される大陸が存在した。彼の地を手にしたものが世界を手に入れるとされ、太古には国々は彼の地を巡って争い、時に大きな戦争へと発展した。
欲望と絶望が交錯する場所、人は彼の地をこう呼んだ。「黄金のアレグリア」と。
●裏切られた騎士団は、彼の地で再帰を誓う
ある日、アレグリアの地に小さな船団が辿り着いた。まばゆく輝く鋼鉄の甲冑に身を包み、腰に剣を帯びた彼らは、ある国の忠実な騎士団であった。しかし、力を増していく彼らに恐れをなした国王によって、彼らは祖国を追われる事となる。
彼らを統べる騎士団長の手には、国を脱する直前に密かに手に入れた一枚の古地図があった。「黄金の大陸」と記されたその古地図は、彼らの新たなる始まりの地を指し示した。
どこまでも広がる地平線を前に、彼らは裏切られた祖国への再帰を誓うのであった。
●黒の商人は、彼の地で静かに微笑む
広大な海原を巨大な商船が走り抜けていく。純白の帆には、誰もが恐れおののく商団の紋章が描かれている。彼らは世界を股にかけ、一国の経済すら操るとまで言われた商業ギルドである。目的の為なら手段を選ばず、時に武力をもって利益を得る。人々は彼らを「黒の商人」と呼んだ。
やがて巨大な商船はある緩やかな入江へと入り、静かに着岸した。彼らの目的はただ一つ。この広大な大陸に眠る宝を独占し、世界の経済を支配することである。
アレグリアの地に降り立った彼らは、まだ見ぬ黄金に想いを馳せ、静かに微笑んだ。
●彼の地を守護者は、民のために剣をとる
アレグリアの地にたどり着いた二つの集団を静かに見つめる者たちがいた。彼らは、この黄金の大陸を神聖な地として、先祖代々、崇め続けてきた者たちである。
この豊かな地に根を下ろし、伝統と誇りを胸に穏やかな生活を営み、これまで幾度となく侵略の危機にさらされたこの地を、堅い結束と地の利を活かして護り続けてきた。
これから、暗雲立ち込めるこの黄金の大地で、彼らは再び剣を取ることになる。
神聖なる彼の地と、そこに住まう民のために・・・。