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 かな書道のページへようこそ
  (初めての方へ)
       
        子どもの頃に おけいこしていたお習字は ほんの第一歩!

       漢字あり、かなあり、篆刻あり、芸術書に、教育書に、実用書に、前衛書もあって、

        何がなんだか訳のわからないほど、書道の世界は 広く奥深いものです。

        現在おけいこしていても、案外わからないことが多いものですね。

        このページでは「かな」について、皆さんにわかりやすくお伝えしようとおもいます。


     「かな書道」とは?

        「かな」だからといって、

       「あいうえお〜」のひらがなばかりを書いているわけではありません。

       日本語は、漢字かな混じりで表記しますね。

        それで書道でも、漢字も書くし、かなも書くわけですが、

        それぞれ専門的に、「漢字書道」「かな書道」にわかれています。

       「こども習字」では、基本点画をしっかり学ぶため、

        ひらがなも、漢字の楷書を書くような書き方で、おけいこします。

        大人になってから学ぶ「かな」は、流れるような「かな」で、ちょっと戸惑ったりしませんか?

        現在、学校で学ぶ「かな」は あいうえお・・・のひらがなだけですが、

        書道では、歴史上の文字、全部を学びますから、学校で習う以外の

        一般には読めないような文字も、たくさん書きます。

        街の「書道展」をのぞいてみると、“読めない文字”がいっぱいですね。


      では

       読めない「かな」って何?

        日本語には、最初 文字はありませんでした。

       中国から 漢字が伝来し、その漢字を元に、「かな」が誕生したのです。

        日本語の音に合わせて、中国漢字をそのまま使ったので、

       「あ」という発音に対して、「安」 「阿」 「愛」 「悪」・・・

        「い」という発音に対して、「以」 「意」 「伊」 「移」・・・というように、多種類の文字が使われました。

        奈良時代には、万葉集に見られるように漢字の草書(くずし字)がそのまま使われました。

        平安時代になって、更に簡略化した「かな」が誕生し、

        和歌やふみ(手紙)のやりとりの中で、美しいかなが発展し普及してきました。

        そして、それらのたくさんの「かな文字」は、

        明治時代 1900年小学校令で、今の字体(ひらがな)に統一されるまで、使われてきました。

        第2次大戦後現代仮名使いになるまでは、 「ゐ」 も 「ゑ」 も使用されていましたよ。

        現代では、それらを総称して、「変体仮名」といっています。

        みなさんが、「読めない」といっているのは、この変体仮名のことなのです。


        「かな」には 他にも呼び名があります。


        「仮名」 ・・・中国から伝わった最初の文字である漢字を 「真名(まな)」といい、それに対して

                 真名を省略したり簡略化したりして出来た、仮りの名、つまり 「仮名」といいます。

        「女手」 ・・・漢字の「男手」に対して、かなは女性の間でたくさん使われたため、

                 女手(おんなで)ともいわれました。

        「上代様」・・上代とは大昔のことで、主に奈良時代のことをいいますが、

                 書道では 平安中期に盛んであった和様の書風のことをいいます。


        「かな」は、日本でつくられた 日本特有の文字文化なのです。


        特に、平安時代に書かれたその上代様のかな文字は、カラーや文様入りの美しい料紙に書かれ、

        その形、線質、墨色、配墨、配字、筆脈、空間美、どれをとっても最高に美しく、洗練され、

        日本人特有の美的感覚にあふれています。

        そして それらは 現代のかな専攻の書道家たちにとって、

        最大の魅力であり、最高の手本となっています。

        日本のかな文字は 現存しているものも多く、

        それらを 「古筆」 といって、博物館や美術館で、実物を見ることができます

        1000年も昔の美しい文字を目の前にして、本当にうっとりと見とれてしまい、

        「わたしも 書いてみたいな! こんなに書けたらいいな!」

        そして「読めたらいいな!」と思ってしまいます。


        こうして、昔から伝えられてきた文字を学び、ひらがな以外のたくさんの変体仮名も組み合わせて、

        さらに、筆、墨、紙の織り成す味わいをプラスして、「かな」の作品をつくります。

        又、最近では かなのおけいこで学んだことを基本にして、

        漢字かな混じりの現代かなづかいのみで書く

       「調和体」 という分野も生まれ 発展しているところです。

        さて、みなさんも 「かな」 というものに 少しでも興味がわいてきましたか?



  


  「かな」 のおけいこ 1.2.3.・・・

 初心者は、まず かな用小筆(和筆)で ひらがなの「いろは」単体から学び、

 変体仮名、二字連綿、三字連綿へと進みます。(連綿とは つづけ書きのことです)

 かなは和歌とともに発達普及してきた文字ですから、

 和歌を書いてこそ、一番美しいものです。

 主に、五七五七七の歌を書きながら、かな文字のおけいこをします。

 おけいこが進むにしたがって、中字、大字、

 そして古筆臨書から創作へと発展させていきます。


 ところで 「かな」は漢字から生まれた文字ですよね。

 かなと漢字では、筆使いの違うところもありますが、かなの元々の骨格は漢字ですから、

 かなをしっかり書くためには、漢字の練習も忘れないようにしたいものですね。


 
 (中・上級の方へ)
 仮名の全盛期、平安時代の頃に書かれたものを特に古筆といって、仮名の習得には欠かせないものとなっています。

初級では、

先生のお手本で、線の引き方、いろは単体、連綿、変体仮名の練習、半紙に和歌を書いたりして進んできますが、

中級位になると、古筆の臨書をするように 勧められることと思います。

古筆にもいろいろあって、何を選んでよいか、あれこれ思い迷ってしまいますよね。

好きなものを書くのが一番ですが、やはり技術の問題などで より良い選択の方法があるような気がします。

参考になるかどうかは それぞれでしょうが、私の古筆学習の足跡を辿ってみましたので ここに紹介することにします。

年度は正確に記憶がないので省略していますが、各古筆それぞれ2〜5年はかけており重複して学んだ時期もあります。

 [私のかな古筆]


古筆 始めた動機 学んだ事・役立った事 展覧会出品・成果
継色紙
(伝・小野東風)
初めての古筆との出会い
初めは漢字を習っていて、漢字に近いからと師に勧められて
古典実物を美術館・博物館で鑑賞する喜びを覚える。
草仮名を多く学ぶ。
まだこの時期は一生懸命真似をして書くだけだった。
社中展
綾地歌切
(伝・藤原佐理)
社中展での臨書発表で担当  
社中展
高野切第一種
(伝・紀貫之)
かな古筆学習の第一歩であり、 必修すべきと思った。 かなの出来始めの形を理解する。美しいかなの姿に感動し、
まるで恋人のようにうっとりと惚れ込んでひたすら書いた。
毎日展初出品(臨書)
関戸本古今集
(伝・藤原行成)
文字の種類が多いので、沢山のかな文字が学べる。
必須基本古筆
同文字で異形が多いこと。強い連綿線。
この時期は臨書のみの段階で、創作には活かせず、倣書を見開 き数頁作成。 関戸本古今和歌集の形式に興味を持ち、上巻復元の 為の配字原稿を作成。
書道笹波会入会
笹波会展初出品(半臨・帖)
二回目出品(復元に近い形で全臨…特選)
和泉式部集切
(伝・藤原行成)
壁面作品に耐えうる古筆ということで、作品制作の為に 文字を詰めたり伸ばしたりする表現法(疎密)を学ぶ。
又、強弱、濃淡を作品に活用。
筆先を突っ込み、紙にくい込む線を 書く。
市美術展初入賞
 (料紙4枚半2×6尺額)
針切
(伝・藤原行成)
一首二行だてと、針のような線の表現にあこがれて 下部空間の変化、はずしの手法を学ぶ。
この頃から帖の倣書作品を書く。
笹波展笹波会賞(帖)
一條摂政集
(伝・西行)
直結連綿を学ぶ為 リズミカルな動きと直結連綿が、心地よい流れを作ることを学ぶ。
縦(行)が短いので一行をすぐ書き終わり、欲求不満。
日展初出品(帖)
小島切
(伝・小野道風)
一條の次は縦長のものを書きたくて、又、細線の練習の為 意外に個の文字がしっかりしていて誤字がないのは良かった。
癖のある古筆でなかなか馴染めなかったが、師の指導により理解。垂直入筆、こぶ状の強い転折、極細線、複雑形の意表をつく表現 などを学ぶ。
完全集字で帖作品にとりくむ。
日展初入選
笹波論文コンクール受賞
「その奇異なるもの小島切」
関戸本古今集 基本に戻り再学習
自らの線の練磨と指導の為、
日常的に書きたい
見開き一頁の文字構成の妙味、線の方向性、同一文字の変化、
行間の変化、横画の厚味等を細かく学ぶ。
寸松庵色紙
(伝・紀貫之)
社中展出品の為 個の文字を正確にしっかり書くこと。太字強調の表現。
四行書きの基礎。
社中展(全臨・帖)
本阿弥切
(伝・小野道風)
社中展出品の為 小太鼓をたたくようなリズムで書くことを覚える。
(他古筆とは全く違う運筆)、文字のくい込み、又、下部で2〜3字詰めて書く「たたみ込み的」表現。
行書きであるが自由な構成。
社中展
(全臨・巻子、倣書作品・軸)
元永本古今集
(伝・源俊頼)
社中展の為 放ち書きで美しい間のとり方、変化ある構成、文字の大小太細、和様漢字、 分かち書き等、多様で飽きさせない。 縦画に厚味あり。
全臨、すなわち大量に書くことにより、抑揚のリズムがよくなった。
社中展1(第5巻全臨)
社中展2(全20巻上下冊の内、上を全臨し大和綴で製本)
香紙切
(伝・小大君)
ずっと憧れ続けていた古筆。
古筆学習の最高峰と思っていて やっと辿り着き、書き始めることが出来た。
行頭・行中・行脚・行対の文字の組み合わせ、行間の変化、自由自在で大きく豁達な運筆。
誤字には注意要。
笹波論文コンクール受賞
「創作古筆に見る放ち書き」
日展入選2回目(帖)
 以後、各古筆を参考に総合的作品に取り組む。 笹波代表100人展(巻子)
笹波展準大賞(巻子)
日展入選3回目(巻子)
  〃   4回目(帖)
                                         * 以上はいずれも小字の場合です。