大腿骨頚部骨折

【治療】手術療法


■人工骨頭置換術 
人工骨頭はTHAに比べ、構造上大きな可動域が許容されており、脱臼の危険性は低いとされていますが、痙性麻痺、著名な筋力低下および重度痴呆などがある場合危険性が高くなります。

■CHS(compression hip screw)
 
比較的強固に固定が可能で、骨折部に圧迫力がかかり骨癒合を促進します。骨頭穿破(penetaration)、cutting-offなどに注意が必要です。

■Multiple pinning 
 全身状態の不良な症例に適応されます。しかし、固定力が弱いため、荷重時期が送れることが多くなります。骨折部の離解や転位(偽関節)、ピンの脱落、骨頭穿通に注意が必要です。

■γ- nail・¥- nail 
骨折部を展開しないため、骨折の修復過程を疎外しません。偽関節、内反変形、頚部短縮に注意が必要です。

 



内側骨折 外側骨折
股関節を包む関節包の中の骨折 関節包の外の骨折
解剖学的特徴から骨癒合が得られにくい骨折 内側骨折に比べて血行動態も良好なため比較的骨癒合しやすい
手術の選択は、人工骨頭置換術 (骨頭を切除し、人工骨頭を挿入する手術)が適応 (骨折部位の骨転移が認め、70歳以上(文献によっては60〜65歳)の骨粗鬆症が高度な高齢者)  手術法としては、 Ender法 compression(dynamic) hip screw(CHS)法 gamma nailing(γ-nail)法 ¥-nailing法 などの骨接合術が選択される 
人工骨頭と骨との固着に骨セメントを併用すると、より強固な固着が得られ早期荷重が可能 比較的手術侵襲が少なく固定性に優れているため術後の早期離床が可能
 
手術後(床上安静期)の看護


『創痛・出血はないか』→疼痛の訴え臥あるときは適切な処置を行い徐痛を図る。
                ガーゼ交換時ごとに出血の有無、創部の観察をする。

『良肢位であるか』→人工骨頭置換術では、術後約3週間は軟部組織が修復しないため脱臼を起こす危険性が高く、脱臼の              予防が必要。

          ・患肢→外転位保持。
               内旋位は禁止。

          ・直後から三角枕を使用して外転・軽度外旋位に保持する。

          ・体位交換(側臥位)は脱臼の危険性が高いため、下肢を三角枕で固定したまま患肢を上にして最低2人の           介助者で行う。

          ・背部〜患肢をまっすぐにしたま一度で仰臥位から側臥位へと体位交換する。

          ・側臥位のまま保持する場合は、患者の前面、高面に安楽枕など使用し、しっかり保持・固定する。

内固定術後の患肢は、中間位または軽度外転位を保つ。
・肢位保持のため両下肢間に外転位が保持できるように枕を置く。
・外転位が保てれているかは、骨盤と患肢の位置をみて観察。
・外旋位による腓骨神経麻痺を予防する。

『術後合併症は起きていないか』

@創部・人工関節の感染予防
  術後、創部の発赤、腫脹、出血、浸出液、熱型の観察。
  痛みの増強の有無。

A肺炎、尿路感染、褥創の予防

B痴呆、せん妄、見当識障害

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