大腿骨頚部骨折

【病態】

骨折線が関節包内にあるか外にあるかにより、内側(内転)骨折と外側(外転)骨折に分類される。
大部分は内側骨折である。

1)内側骨折

・高齢者に多い。
・骨粗鬆症による骨強度低下で、転倒や日常生活的な過重などの外力によって生じることが多い。
・骨癒合が最もしにくい骨折。

理由

@骨折部が関節包内にあるため、外骨膜がなく骨膜性仮骨が形成されないことや関節液が骨癒合を阻害 する。

A骨頭の血流は、主に大腿骨頭部から入ってくるために、骨折により骨頭側の血流が阻害されてしまう。
 骨頭壊死・偽関節形成のおそれ。

B骨折線が斜めになる事が多く、骨折部に剪刀が働くために、骨癒合が難しい。

C加齢により細胞活性が低い。

大腿骨頸部骨折の部位による分類 大腿骨頭の栄養動脈
臨床上、最もよく使われているのがガーデンの分類。
骨折の程度と程度と転位によって、Stage1〜4に分類されている。

ガーデンの分類

・Stage1:骨性連絡の残った不完全骨折。
・Stage2:完全に骨折で転位のないもの。
・Stage3:完全骨折で骨頭は回旋転位しているもの。
・Stage4:完全骨折で,骨折部が離開しているもの。

★剪刀(ゼントウ)→物体の表面が互いに逆方向に平行移動する働きを生み出す力。
現在は骨折線の傾斜の程度よりも転位の程度が重視され、Garden分類でstage1・2では一般的に骨頭壊死や偽関節を起こす確率は低く内固定(multiple pinning、海綿骨screwなど)が行われ、stage4ではその確率が高いため内側骨折では人工骨頭置換術を用いることが多くなっています。 
 一方、外側骨折は血流の比較的保たれている部位であるため比較的骨癒合しやすく、内固定にはcompression hip screw法、Ender pin法、γ- nail、¥-nailing法が用いられています。
1)外側骨折
・高齢者に多い。
・大転子を転倒などで強打して発症することが多い。
・ 内側骨折に比べ、関節包外なため外膜があり血流も豊富で骨癒合を得やすい。
エンバスの分類
わが国では広く用いられている分類であり、内側骨折部が安定しているかどうかで、安定型骨折と不安定型骨折に分類される。

 

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