「精神疾患」患者の看護T

* Point *
 全身状態を観察するとき、その状態や訴えはどこに問題があって表出されるのか十分見る必要がある。
 例えば単に心気的(気持ち・気分)な訴えだけのものなのか、向精神薬による副作用のあらわれなのかなどの判断に困難な場合があるからである。患者の精神症状を日頃から把握しておき、患者の外に表出された全身状態との関連をいち早く察知することが大切である。


 精神障害者を観るとき、精神症状の把握と同様に全身の状態の客観的な観察は重要である。 幻覚・妄想などの精神症状が前面に出現しているときは、どうしてもそれらを問題点としてとらえてしまう傾向が強い。しかし精神症状だけにとらわれすぎると、その裏にひそんでいる別の重要な問題を見落とすことがある。あるいは反対に、精神症状が目立たない患者、何も訴えのない患者などは、問題がないとして見過ごしてしまうことになる。全身を客観的に観察することにより、患者の内面にある目に見えない精神活動を判断でき、狭い視点にとらわれない看護を展開することが可能となる。

1……体型と性格
 精神疾患の成因についてはいろいろな説が考えられているが、現在のところ解明はされて いない。体格と性格の親和性については、E.クレッチマーの体質類型がある。
細長型(やせ型)、肥満型(ふとり型)、闘士型(筋骨型)に分け、特に内因精神病については、発病前の体型と性格との間には共通性があると論じられている。現在ではこの理論 は一つの「目安」としてとらえられ、分裂気質が精神分裂病に、循環気質が躁うつ病にと 必ずしも移行するのではなく、絶対的なものではない。

 

クレッチマーの体型と性格理論
体型

分裂気質

循環気質

粘着気質
(てんかん気質)

性格傾向
@ 非社交的、静か、ひかえめ、内気、気まじめ、変人。 @ 社交的、善良、親切、温厚、情味深い。 @ 静かで、エネルギッシュ。
A 臆病、はにかみ、繊細、敏感、神経質、感じやすい、自然や書物が友。 A 明朗、ユーモアあり、活発、激しやすい。 A 情緒生活の平衝性、遅鈍性。
B 従順、善良、行儀よい、正直、無頓着、 鈍感 。 B 寡黙、平静、気重、
柔和。
B 几帳面、実値、鈍重、融通性に乏しい。
周囲の人との感情的接触が滑らかでなく(非同調性)、内省的、孤立傾向、敏感、繊細、傷つきやすさと鈍感、無関心の両極端に揺れ動く(同調性の性格)。 @は循環気質の基本特徴。

Aは躁性。

Bは抑うつ性の傾向である。周囲と感情的に共振しやすい(同調性)。感情の起情は滑らかで、現実的、妥協的である。
強靭性と対極としての怒りの爆発が認められる。
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