4.失禁を起こす要因
【失禁の要因】

1)大脳の機能障害(認知症や精神疾患など)により判断力の低下

2)ADL低下や廃用症候群による手足の運動機能の障害

3)いわゆる膀胱・尿道の機能あるいは器質的な障害

4)不適切な環境(人的環境も含む)

5.排尿のメカニズム
【正常な排尿】

1)尿意を催してから1時間程度は我慢ができ、尿意がなくても出すこともできる。

(膀胱に150〜200mlほどたまると尿意を催す)

2)容認された方法で排泄できる。

3)排尿時に痛みがない。

4)一度に200〜500mlの尿をスムーズに出すことができ、残尿がない。(平均300ml

5)排尿回数は日中5〜7回夜間は0〜1回

6)排尿時間は10〜30秒

7)尿の色は薄い黄色か透明。

8)尿に混じり物はない。

9)腐敗臭のような悪臭がない。

10)漏れがなく、残尿もない

★成人の1日の尿量は約1000〜2000ml

【蓄尿と排尿のメカニズム】

1)膀胱に尿が充満する。

2)膀胱壁の伸縮受容体からの刺激が骨盤神経求心路を経て脊髄を上行する。

刺激は大脳皮質に至り、一定の膀胱量(150〜200ml)に達すると初めて尿意を感じるが、暴行の収縮は抑制されている。

3)一方、脊髄から腰部交感神経節を経て膀胱頸部に分布する下腹神経と尿道括約筋に分布する陰部神経は、膀胱の収縮は抑制されている。

4)この時点では、膀胱は弛緩し、尿は漏れることなく「蓄尿」される。この貯留は主に交感神経の作用によっている。

5)十分な尿意を感じて排尿の準備が整うと、脳幹橋部の高位中枢から排尿促進の刺激が発生する。
(排尿反射の抑制解除)

6)刺激は脊髄を下降し、仙髄の下位中枢から骨盤神経(副交感神経)を経て膀胱に至り、膀胱を強く収縮させる。同時に腰部交感神経を介して下腹部神経(交感神経)の興奮が抑制されて、膀胱頸部と尿道が弛緩する。

7)上記の結果、膀胱は収縮し尿道は弛緩して、尿は勢いよく尿道から「排尿」される。

膀胱は収縮する
尿道・外尿道括約筋は弛緩する

【排尿時の膀胱と尿道の関係】

膀胱は弛緩している
尿道・外尿道括約筋は収縮している

【蓄尿時の膀胱と尿道の関係】

【神経因性膀胱とは・・・。】

蓄尿・排尿を支配する神経のどこかに障害があると、尿失禁や排尿困難が生じる。
これを、神経因性膀胱と総称する。一般に障害が大脳に近いほど頻尿や尿失禁(蓄尿障害)が起こりやすく、膀胱に近いほど排尿困難や尿閉(排尿障害)が起こりやすい。

【過活動膀胱(overactive bladder;OAB)とは・・・。】

「尿意切迫感を主症状とし、通常これに頻尿や夜間頻尿を伴い、場合によっては切迫性尿失禁をきたすもの」と定義されている。治療は薬物療法がよく効きく。
ただし、OABの治療の対象となるのは排尿筋過活動のみである。(尿路感染症や間質性膀胱炎などはOABの治療対象に含まれない)。

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