吸入

薬液を肺胞に作用させたい時は、超音波ネブライザーを使用するのはなぜか? 薬液を肺胞まで到達させるには1〜5μm(ミクロン)のより微細な粒子が必要だからです。超音波ネブライザーでは、1〜5μmの微細粒子にして吸入させるので、肺胞まで到達させることができます。
★吸入(inhalation)とは  吸入は、薬液やガスを霧状にして吸気中に混入させ、気道や肺胞あるいは全身に作用させることを目的とした治療法です。
局所的な作用を期待して行う吸入に蒸気吸入や薬液噴霧があり、全身的な作用を目的とした吸入は酸素吸入や麻薬時のガス吸入があります。
★吸入した粒子はどこに到達するのか? 噴霧する粒子の大きさによって期間・気管支・肺胞というように気道内に到着する部位が異なってきます。40〜60μmといった大きな粒子では咽頭や喉頭などの上気道に到達し、5〜10μm前後の粒子では抹消気管支に到着します。超音波ネブライザーは1〜5μmのより微細な粒子にして吸入させるので、肺胞まで到着させることができます。
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吸入の目的を理解して、効果を高めましょう。
まず、患者の呼吸及び全身状態を観察し患者の状態をアセスメントします。また、吸入の目的および作用させたい部位を理解します。吸入の主な目的には、以下のものがあります。
a) 加湿により分泌物を軟らかくして喀痰(カクタン)の喀出を促す。
b)>去痰剤や気管支拡張剤等の薬剤を作用させ喀痰の喀出を促す。
c)気道の消炎を秤、疼痛を緩和する。
d)抗生物質を局所に作用させ細菌感染の治療を行う。
e)低酸素症の改善を図る。
A 吸入を効果的に行うために、体位は胸郭が開くように、 深呼吸をしやすい体位とします。また、ゆっくり口呼吸による呼吸で、呼気の最後に少し呼吸を止めて、薬剤などがゆっくりと作用するようにします。腹式横隔膜呼吸も吸入の効果が高まります。さらに、吸入前に体位ドレナージやタッピングを行い、分泌物が容易に喀出できるようにすると果が高まります。
吸入時に嘴管(シカン)をくわえ軽く口を閉じ、時々深呼吸をするのはなぜか? より効果的な吸入を期待したいから。
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吸入薬はできるだけ均等に目的の部位に到着させる必 要があります。正常な肺でも吸気は均等には分布しません。また、吸気が速いと乱気流が起こり、粒子が深く入るのを阻害してしまいます。深呼吸をすることで気道が開き、ゆっくりした吸気は気道の 閉塞部位を広げ、粒子の進入を容易にします。吸入中に深呼吸を続けることはできないので、時々深呼吸を促し、吸い込んだ時に2〜3秒息をこらえると薬液が効果的に作用します。

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吸入後は含嗽を促します。吸入後は口腔内や咽頭に吸入薬の苦味成分が残っており、不快感があります。そのまま放置すると悪心や嘔気、食欲不振の原因になります。また、吸入薬が口腔内に残っていると、口腔粘膜より吸収されたり、あるいは飲み込んで消化管から吸収され、薬液の副作用が出現する原因にもなります。交感神経刺激作用がある気管支拡張薬には、心悸亢進や手指のしびれ感、不安、悪心などの副作用が、また、気道分泌促進薬には、胃腸障害や頭痛などの副作用があるので、注意しましょう。
径鼻カテーテル法では、カテーテルを口蓋垂の後方までいれるのか? カテーテルの挿入が浅いと酸素流量の効率が悪いため。
酸素吸入を行う時、コルベンに水を入れるのはなぜ? 酸素に十分な湿気をもたせるため。
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@ 加湿器の水は、清潔を保ちたい気道に吸収されることと、水に不純物が混入していると加湿器の故障の原因になることから、水道水ではなく、蒸留水を使用します。
A 水が上限より多いとチューブ内に水が入り込む可能性があり、酸素通過の妨げにもなります。逆に水が下限より少ないと過湿されません。
B 感染にきおつけましょう。酸素吸入を受ける患者は、一般的に抵抗力が低下し、免疫力も弱まっています。患者の呼吸器系及び全身の観察を注意深く行い、異常の早期発見に努めます。
C 酸素吸入は3リットル/分というように指示量を正確に流すことが必要です。フロートはボトル状とロケット状があります。ボール状の場合はボールの中央に指示量の目盛りを合わせ、ロケット状の場合は、ロケットの上部に合わせます。
酸素吸入を開始する場合、急に多量の酸素を流してはいけないのはなぜか? 酸素中毒により、自発呼吸が抑制されて呼吸停止をひきおこす可能性があるため。
★酸素療法とは
酸素療法とは、低酸素状態となり呼吸困難にある患者に対して行うものです。その適応は、安静時空気呼吸下でO2分圧が50mmHg以下が絶対適応で、また、50〜60mmHgが相対適応とされています。
酸素吸入を行っているときは、火気厳禁とするのはなぜか? 酸素は熱によって膨張し、わずかな火気でも燃焼しやすく、可燃性ガスと混合すると燃焼・爆発をおこしやすいから。
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