2、胎児の発育と生理
)胎児の発育
着床直後、すなわち受精後およそ16日で胎芽胚葉を形成していた細胞集団は3群細胞、すなわち外層の外胚葉、中層の中胚葉ならびに内層の内胚葉に分化する。すべての器官や組織はこれら3層の細胞のどれかからできている。(図1)

(図1)

胎児の発育

(大きさの比率を示しています)

2)妊娠進行に伴う胎児の発育
@妊娠0〜3週
妊娠3週末期には胎芽は0.8〜1.6mmに達する。
すべての器官の起源は存在してるが、非常に痕跡的です。目・耳・四肢なども起源もみられます。また魚と同様の鰓弓(さいきゅう)と尾をもっています。
A妊娠4〜7週
胎芽は長さ2.5〜3cmくらいになり、脳が他の部分よりも急に発達するので、頭部が身体の大部分を占める。尾は短くなり四肢の隆起があらわれる。
B妊娠8〜11週
胎児は身長7〜9cm、体重およそ20gになります。頭部・体幹・四肢が明らかに区別でき、指趾が分化し、爪も形成されはじめる。外陰部の分化も始まっている。また、骨には化骨があらわれはじめる。心拍動を超音波ドップラー法でみとめることができます。
C妊娠12〜15週
身長14〜17cm、体重およそ100gになります。頭部はまだ非常に大きいが、男女の区別は明らかです。皮膚は赤く、すきとおって産毛(毳毛ぜいもう)が生えはじめます。腸には胎便が存在し、心拍音や胎動(胎児の運動)が明らかになります。
D妊娠16〜19週
身長およそ25cm、体重250gになり、母体は胎動を自覚し、また児心音を聴診器で聞くことができる。頭部はまだ大きい。皮膚の赤みは少なくなるが、皮下脂肪は非常に少ない。爪と毛髪は存在する。
E妊娠20〜23週
身長およそ30cm、体重650gになります。身体のつり合いはとれてくるがまだやせている。皮膚には胎脂がつきはじめる。この時期に生まれた胎児は泣くことができるが、肺はまだ十分に発達していないので独力で生活を続けることができません。
近年の低出生体重児医療の発達に伴い、NICU(新生児集中治療室)での重点的管理が行われれば生存の可能性もでてきたが、しかしその死亡率は高く70%と高く、また後遺症などの合併症など多くの問題があります。
F妊娠24〜27週
身長およそ35cm、体重1,000〜1,100gに達します。
目は開き、皮膚は赤く、しわがあります。男児の精巣はなお陰嚢内に下降しています。泣き声は弱く、呻吟(しんぎん)するだけで肺と腸管の発達が不十分なため生育は困難で、NICUに収容して、濃密な管理を行うことが必要です。
G妊娠28〜31週
身長およそ40cm、体重1,600〜1,800gで、皮膚は淡紅赤色になるが、まだやせていてしわが多く、老人のような顔をしています。骨はかたく、泣き声も強い。十分なケアを行えば生きることができます。
H妊娠32〜35週
身長およそ45cm、体重2,000〜2,500g、胎脂は少なくなり、皮下脂肪が増加して、しわやひだが少なくなり、身体は丸みをおびてきます。諸器官は発達しています。
I妊娠36〜39週
身長およそ50cm、体重3,000〜3,300g、皮膚は淡紅色で、しわが少なく、皮下脂肪に富み、全身の生毛はほとんど消失してわずかに頭部および上腕の外側の残り、胎脂も腋窩・股間・肩甲だけに残っていることが多い。
男児では精巣は陰嚢内に存在し、女児では大陰唇がよく発達していて小陰唇をおおい、両側の大陰唇が接している。娩出後はすぐに活発に泣き、目を開き、四肢を活発に動かし、哺乳運動も十分です。すべての器官が正常機能を営むことができます。
体重が2500g未満の新生児は低出生体重児と呼ばれます。
体重が4000g以上の新生児は巨大児と呼ばれます。

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