尿検査について

◆尿検査とは
 患者から得られる検査材料(検体)のなかでも、尿は最も簡単かつ大量に採取することができる検体である。また、尿の成分は、血液成分をある程度反映するので、腎疾患以外の疾患スクリーニング検査として応用することができる。
◆尿の生成と排泄
 尿は腎臓で生成され、尿管・膀胱・尿道を経て排泄される。これらを一括して泌尿器と呼んでいるが、特に尿管・膀胱・尿道を尿路と呼んでいる。
 腎臓には循環血液の約20%が流れている。腎臓の糸球体では1日に150〜180リットルの血液がろ過され、これが原尿となる。原尿は、近位尿細管から遠位尿細管を経て集合管に至る間、有用な物質の分泌が行われ、最終的に尿として1日に1000〜1500ml排泄される。
◆尿検査でわかること
腎疾患 腎炎(糸球体腎炎、腎盂腎炎)
ネフローゼ症候群
腎不全
腎腫瘍→細胞診
尿路系の腫瘍(腎盂癌、尿管癌、膀胱癌)→細胞診、その他
代謝障害(糖尿病、その他)
肝機能障害 黄疸など
その他各臓器あるいは全身状態を反映するもの 心不全状態
酸塩基平衡
出血性素因、凝固異常
異常蛋白の出現
(ベンス・ジョーンズ蛋白)
◆主な検査項目
 尿検査には、尿量、尿比重、尿ph、尿蛋白、尿糖、ケトン体、ビリルビン、ウロビリノーゲン、尿沈査などがある。
その他の検査項目
@尿細菌検査→尿培養
A尿細胞診検査→病理学的検査
◆採尿法
@ 特別な器具を用いず、自然排泄された尿による検査。これには次の4種の尿が用いられる。
中間尿  排泄された始めの尿や、最後の尿を用いず、排泄途中の尿を用いるもの。外尿道や膣由来の成分の混入を防ぐために一般的に用いられる尿である。さらに尿の細菌検査を行う場合には、局所の清拭を行った後に中間尿の採取を行うと、汚染による影響を防ぐことができる。
全尿  畜尿法により排泄された全ての尿を用いるもの。
初尿  排泄された最初の尿を用いる方法であり、淋菌やクラミジアなどの検出に有効である。
分杯尿  排尿時に、前半と後半で2つのコップに分けて尿を採取する方法。尿路内における出血や炎症部位の推定に有効である。
A その他の採尿法
自然な排尿が困難な場合や、微生物学的検査を目的として用いられる。
・カテーテル尿
・膀胱穿刺
◆採尿時間
@ 早朝尿(起床時尿)
 就寝前に排尿し、朝おきがげに採取した尿であり、尿中成分の多い濃縮された尿を得ることができる。入院患者や学童集団検診などに用いられる。
A 随時尿
 任意の時間に採取した尿であり、外来時に採取される尿の多くがこれにあたる。早朝尿に比べると希釈されている場合が多く、尿中の成分はそれだけ少ないものになるが、患者に時間的制限がなく、また新鮮な尿を検査することができる。
B 24時間畜尿
 24時間畜尿は、昼夜や食事の影響を受ける成分の尿中排出量を正確に測定するために用いられる。
 畜尿の方法は、まず排尿し、これを捨て、この時間から24時間内に排出した尿をすべて畜尿容器に貯めておく。24時間後には、尿意がなくても採取し、これを含めて24時間尿とする。
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