◆痙攣・てんかんの発作時の看護

1、「とりあえず、焦らないで冷静に対応しましょう!」

誰でも、初めて自分の目の前にいる患者さんが痙攣発作を起こしたら驚きます。
私も最初はそうでした。
(正直、最初は、驚きますって・・・。)
Drに「ここは脳外なんだから、患者さんはだれでも痙攣を起こす可能性はある んだから、焦らなくていいぞ。」って言われたことがありました。
まあ確かにそうだな〜って、納得してしまいました。
では、実際にどう関わればよいか?
痙攣発作を起こした患者さんを発見したら・・・。
@ 他のスタッフを呼ぶ。

(★患者さんの傍を絶対に離れてはいけません。
一人では、できることも限られてしまいます。
だから、処置をするために応援を呼びましょう。)

A発作を早期に停止させるようにする。
痙攣発作の多くは通常数分以内に自然に収まります。 しかし、恐ろしいのは痙攣重積で、短時間に痙攣発作を繰り返したり長時間続くことを言います。 痙攣重積になると、生命の危険や後遺症の危険性も高くなります。 痙攣発作が起こった時点では、けいれん重積になるのかどうかはわかりません。 だからこそ、いかなる痙攣発作に対しても最悪な場合を想定して、一刻も早い処置 が必要なのです。

術後の患者さんなどでは、通常、抗痙攣薬の投与など、痙攣発生時の指示が出されて いますので、それに従って処置を行っていきます。 予測指示がない場合は、すぐにDrコールをして指示をもらいます。

【ルートキープ】
薬剤投与のために、輸液路の確保を行います。

【薬剤の準備】

・ジアゼパム(セルシン,ホリゾン)
ベンゾジアゼピン系抗不安薬
用法・容量:1回10mg筋注(やむを得ない場合のみ)
2分以上かけて静注(単独でゆっくり静注です。)(原則として)

『看護ポイント』
加速症状:急速に静注した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合、血栓性静脈炎 を起こすおそれがあるので、なるべく太い静脈を選んで投与する。
・呼吸抑制作用があるため、静注後10分間は患者の呼吸状態を注意深く観察します。 血中酸素濃度が低値だったり、浅くなっていれば、アンビューバックによる補助呼吸が 必要となります。

・フェニトイン(アレビアチン)
抗てんかん薬
用法・容量:125mg〜250mgを1分間50mgを超えない速度で徐々に静注。

『看護ポイント』
アレビアチンはブドウ糖を含む補液では混濁するために、生理食塩水の点滴ルートを用いて単独ルートで 投与する。
・加速症状:急速に静注した場合、心停止・一過性の血圧低下・呼吸抑制などの循環
・呼吸障害を起こすことが ある。投与中は血圧、脈拍に注意し血圧が低下する場合は投与速度をゆっくりとする。 生食100mlに本剤必要量を入れて約30分かけて点滴静注すると血圧低下が現れにくい。 (滴下速度はめやすなので、Drの指示がある場合は指示どうりにいきましょう)
・本剤は静脈のみに使用する。 強アルカリ性で組織障害を起こすおそれがあるので、皮下、筋肉内また血管周囲には絶対に注射しない こと。
・静注時、薬液が血管外に漏れると、疼痛・発赤・腫脹などの炎症、壊死を起こすことがあるので慎重 に投与すること。

・フェノバルビタール(フェノバール)
バビルツール酸系睡眠薬
用法・容量:1回50〜200mg
1日1〜2回
【皮下・筋注】

『看護ポイント』
加速症状:呼吸抑制・血圧低下が現れることがあるので、注射速度はできるだけゆっくり行う。
配合変化:pH8.2以下の中性・酸性領域で結晶析出する。 有機溶媒を用いた製剤。水性溶媒の添加により主薬を析出するので他の注射薬と配合 しないこと。

★また、フェノバビタールは水に溶けにくく、有機溶媒クロロブタノール、グリセリンエチルエーテル に溶解してあり、静注により主薬が結晶化して析出する可能性があるので、筋注しか認可されていません。
B顔を横に向けて気道を確保します。
吸引の準備。
時には、バイドブロックを使用し、舌歯(舌を歯で噛んでしまう事)の予防をする場合もあります。
また、ナザールチューブを使用し気道確保を行う場合もあります。
痙攣発作時は顔を横に向けて、誤嚥予防をします。
C酸素吸入の準備。
サチュレーションモニタの準備。(血中酸素濃度のチェック)

痙攣発作の最中は、呼吸がうまくできないので、血中の酸素が足りない状態となります。 脳の血流は増えますがそれ以上に脳の代謝が亢進します。このため、脳に十分な酸素と血液が供給されない 状態になり、大事な神経細胞が死んでいきます。神経細胞が死ぬと後遺症が生じることがありますし、生命の 危険に及ぶことも考えられます。気道の確保、補助呼吸により血液あ中の酸度濃度を正常に保てるように 関わりましょう。
D全身状態の観察

痙攣の初発部位
痙攣の広がり方
痙攣の型
発作時間
呼吸抑制の有無
チアノーゼの有無
瞳孔の大きさ
眼球偏位の有無
対抗反射の有無
発作後の意識レベル
発作後の四肢の麻痺の有無・レベル
(発作前よりレベルが落ちていないか?)
ドット(Todd)麻痺
言語障害の有無・レベル(発作前よりレベルが落ちていないか?)
尿失禁の有無
バイタルサイン(体温・脈拍・血圧)

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