◆治療
脳血栓症か、脳塞栓症かによって治療方法は変わってきます。

治療法は、「急性期」「慢性期」で異なります。

「急性期」・・・一般的に発症から7日目くらいまでを言います。

◆急性期の治療ポイント
【閉塞した血管の血流を再開通させる】
【脳のダメージを最小限にくいとめる】

◆急性期の治療
【1)血管の再開通】
血栓溶解剤(ウロキナーゼ:UKや組織プラスミノーゲンアクチベータ:t-PA)を用いた経静脈的血栓溶解療法があります。点滴による静脈内投与と、閉塞部での選択的動脈内投与(局所線溶療法)があります。

超急性期(3〜6時間)脳梗塞に対し、ウロキナーゼ(UK)やプラスミノーゲンアクチベータ(t-PA)の静脈注射があります。

その他の急性期治療として、抗凝固療法(アルガトロバン:選択的抗トロンビン剤、ヘパリンの点滴投与)や抗血小板療法(オザグレルナトリウム点滴投与、アスピリン内服)などがあります。これらの治療は出血性梗塞をきたす可能性があり、脳塞栓症には禁忌です。また、脳血栓症であっても、大梗塞を起こしている場合や出血傾向のある患者さんにはこれらの治療はできません。

【2)脳のダメージを最小限にくいとめる】
脳保護剤(エダラボンなど)の投与や、脳浮腫の治療などがあります。脳浮腫は脳梗塞だけではなく、脳腫瘍や脳出血などでもみられるもので、これにより血流障害や脳圧亢進が起こり、脳細胞の障害をより悪化させるものです。 そこで、脳浮腫のために脳の循環障害が起こっていると判断された時には、高浸透圧脳圧下降薬(マンニトール、グリセリン)が投与されます。マンニトールはクリセリンより即効性がありますが、反跳現象があるため注意深く観察することが必要です。

◆慢性期の治療ポイント
【再発予防】
【リハビリテーションによる機能回復】

【1)再発予防】
[内科的治療]
アテローム硬化性血栓症に対しては、抗血小板薬(塩酸チクロピジン、低用量アスピリンなど)、心原性脳塞栓症に対してはワーファリンカリウムがそれぞれ投与されます。その他、高血圧症、糖尿病、高脂血症など危険因子に対する治療、禁酒、喫煙といった一般的な生活習慣に関する管理も行われます。

[外科的治療]
@頭蓋内血管の閉塞性病変に対する頭蓋外・頭蓋内バイパス術(浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術)STA-MCA anastomosis
A頭蓋外頸動脈の狭窄性病変に対する頸動脈内膜剥離術
B頭蓋内・頭蓋外狭窄病変に対するバルーンを用いた経皮血管形成術(PTA:percutaneous transluminal angioplasty)、ステント留置術など。
内科的治療だけでは、再発を予防できないと判断された場合には、外科的治療が選択されます。

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