◆なぜてんかん発作が脳損傷を悪化させるのか
 てんかん発作の内容は、てんかん活動を起こした神経細胞がどういう働きを受け持っている細胞なのかによって違います。例えば、てんかん活動が運動領野の神経細胞に起こると、その神経細胞が支配している対側の手足が、患者の意思とは無関係に勝手な収縮を起こします。これが、痙攣発作です。 てんかん発作は神経細胞の無秩序な活動であるので、大変多くのエネルギーを消費します。そのために、できる限り大量の酸素をブドウ糖を血液によって脳に運び込まなければなりません。逆に考えると、普段と同じだけの血液が送り込まれているだけでは到底足りず、血液が不足することになります。その結果、脳損傷はさらに悪化してしまいます。同時に、神経細胞では酸素を使わないで糖だけでエネルギーを作ろうとするため、乳酸が産生されて神経細胞とその周りが酸性に傾きます。これも、脳損傷を助長させる一因となっています。
◆痙攣発作のあるてんかん発作が、より脳損傷を悪化させる理由
 痙攣発作を起こすと呼吸が十分に行えないために、血液中の酸素が不足します。また、痙攣を起こしている筋肉が大量にエネルギーを消費するので、ますます酸素が不足します。脳神経外科で治療を行っている患者は、すでに何らかの脳損傷があります。そのうえ、脳に送り込まれる血液が不足し、しかも酸素まで足りないということになると、脳損傷は決定的に悪化します。これらと同時に、筋肉も酸素を使わず糖だけでエネルギーを作ろうとするため、乳酸が酸性されて血液が酸性に傾きます。これも、脳損傷を助長させます。

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