GnRHアナログ( GnRHa ) は視床下部から分泌される自然のGnRHの数十倍から数百倍の強い生理活性をもつ人工ホルモンです。

 

 GnRHアナログには、

・ブセレリン(商品名;スプレキュア)点鼻薬・注射剤

・ナファレリン(商品名;ナサニール)点鼻薬

・リュープロレリン(商品名;リュープリン)注射剤

・ゴセレリン(商品名;ゾラデックス)注射剤

などがあり、使用すると強力に下垂体を刺激します。しかし実際にはこれらの薬剤は下垂体の働きを低下させ、結果としてゴナドトロピンの分泌を減らし、卵巣機能を低下させるのに使われます。

 <Q> なぜ、こんなことが起こるのでしょうか?

 <A> それはダウンレギュレーションが起こるためです。

 通常ホルモンという”鍵”はその標的となる臓器に存在する”錠”である受容体に取り付き、反応を起こします。今回はGnRHは鍵であり、下垂体にある受容体が錠にあたります。
 GnRHアナログは本物のGnRHに構造が似ている上により強く受容体に結びつくため、下垂体にとってはより強い刺激を受けることになります。
 強い刺激を慢性的に受けた下垂体は受容体の数を減らします。その結果最後には反応が減少します。これをダウンレギュレーションと言います。

次はダウンレギュレーションについてもう少し説明します。
この図はヘキスト社(東京大学 武谷先生監修)のものを引用させていただきました。