TOPは、自分で体を動かし、組織の隅々まで、組織で何が行われているか把握する必要があります。人の報告などまったく当てにならないものです。報告は報告で聞くとして、それが正しいかどうかは、自分の体を動かしていれば自然と分かるもの。自分で動きまわっていなければ判断力は、つきません。自分で動かず、人の話をうのみするだけでは、どこかで落とし穴に入ります。何から何まで自分ではできません。しかし、下のものは、心をどこかにやって仕事を処理しようとしているのです。TOPは組織の中のあらゆることを自分の肌で感じていることが必要です。安全、環境、人事、経理などなど、隅々に肌で感じる行動力が必要です。自分こそ、先頭に立って組織の隅に、床の下にもぐりこむ必要があります。
「取扱説明書が分からない」のもTOPの問題。恐らく多くのTOPは、自分の会社の取扱説明書を読んだことがないでしょう。休みには、自分の会社の取扱説明書の質の悪さを自分で実感することが重要です。取扱説明書は、あそこの部署に任せてあるなどは、責任はまっとうできません。
環境の問題にしても、自然の中に出て、自然の病める姿、死にかかる姿を実感することが重要です。野や山に、町に、道に自分の会社の製品の包装が散乱し、汚しているのを見たことがあるでしょうか。いつも車で通りすぎるので、今の日本のひどさは、実感できないと思います。
自分で動きまわれば、いろいろの問題点が分かってきます。TOPは、問題点を提起し、その解決策を指示し、ルールを整備させ、道具だてを改善させ、それが実施されたかどうか、自分の目で確かめることが重要です。あなたが「THE LAST MAN」です。あなた以外の人には、ビンのふたは、開きません。
とくに、TOPが、目先の利益に走ったり、組織の利益を優先したり、保身を考えたりするようでは、組織は惨めな結果となります。