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「新人営業マン奮戦記 」 第二章 オン・ザ・ジョブトレーニング 8ページ

「はっ、はい。一度テレビショッピングで見ました。あれに使われるドラムなんですか?」
「例えば、ああいう物です。内緒ですよ。それで、金型をできるだけ長くもたせたいん です。スーパーコーティングの方が良ければ、青葉機工さんへもっと注文だせるように なるでしょう。それじゃ、頼みましたよ。」
「はい、お預かりします。後で、納期回答します。ありがとうございました。失礼し ます。」
井上さんから後で教えて貰ったが、この鞄圏m伸管ではDLCコーティングは、他社か ら購入している。スーパーコーティングの試作結果次第であるが、販売チャンスである こと。地道にPRしてきた甲斐があったと、喜んでいた。
また、この工場はアルミニュウムを引き抜き製法で、コピー機のドラムなど円筒状に加 工している。その技術は難しく、できるところは日本中で数えるほどしかないそうだ。 特殊な技術があるところは、不景気な時でも強いようだ。安定した生産をしている。

営業所へ戻ろうと車を走らせていると、井上さんの携帯電話が鳴った。着信音からすると、Eメールだ。業務連絡が入った。通常、『会社に電話するように。』とか 『○○会社の○○さんへ電話願います。』など連絡が入る。ちょうど近くにコンビニが 見えたので、その駐車場に車を止めた。井上さんは、会社に電話した。
「もしもし、井上です。どうもご苦労様です。はい、はい、はい、あーそうなんですか。はい、解りました。寄ってみます。失礼します。」
「所長からなんだけど、今日菊田さんが無断欠勤したようで、十年間で初めてなんだって。念のために、菊田さんのマンションに寄ってほしいそうだ。ここからは、私が 運転するから。」
運転を井上さんに代わった。高速道路を急いだ。道路の両側の山々は、綺麗に紅葉している。黄金色に輝いている。その中の、ところどころに見える赤色が、とても鮮やか だ。
仙北市のインターを降りる頃は、すっかり暗くなっていた。渋滞が始まっていてなかなか進まない。しばらくして、郊外のマンションの前で止まった。
「井上さん、高級マンションですね。」
「あっ、菊田さんの車が止まっている。行ってみよう。」
中に入って菊田さんの部屋のインターホーンを鳴らしたが、応答がない。井上さんは、管理人室と書いてある小さなガラス戸を開けた。
「305号室の菊田さんと同じ会社で、青葉機工の井上と言います。」
「山本です。」
「菊田さんが今日会社を休みまして、連絡が無いものですから心配で伺いしました。車がありますから、居ると思うのですがインターホーンの応答がありません。エレベーターの前のドアを開けて頂けませんでしょうか。」
「身分を証明するものありますか。」
と、管理人から言われたので、井上さんと僕はとり合えず名刺を出した。
「はい、解りました。お入り下さい。」
ドアロックを解除してくれた。
エレベーターに乗り三階に着いて降りると、何か変な臭いがする。何だろう?
305号室の前に来ると、さらにその臭気が増した。
「この臭い、ガスじゃないですか?ひょっとしたら・・・まさか・・・」
インターホーンを何度鳴らしても、応答がない。
「山本君、管理人さんを呼んできてくれ!それから、合鍵を借りてくるように!」
「は、はい。」
とにかく、急いだ。まさか、菊田さん・・・

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