人工呼吸器関連肺炎対策:誤嚥によるよる肺炎の防止


人工呼吸器関連肺炎の原因は大別して誤嚥によるよる肺炎と
細菌吸入による肺炎があります。
それぞれの原因を取り除く又は最小限にすることで肺炎を防止します。

■肺への流入を防ぐ
適正なカフ圧保持とカフ上部の吸引
人工呼吸器装着時の誤嚥(不顕性誤嚥・サイレントアスピレーション)の
主な原因は、気管カニューレのカフ上部に貯留している分泌物が、
気管壁とカフの隙間やカフの皴を伝って肺の方へ流入することで起きます。
カフ上部に存在する分泌物はカフにより肺への流入を抑えていますが、
カフ圧が適正でも完全に防ぐことは困難とされています。
カフ圧が低下している場合は、より多くの分泌物が隙間を通って
肺の方へ流れ込みます。
肺への流入を少しでも抑える為の対策としては、カフ圧を適正に保持し、
気管内吸引や口腔ケアなどの前後には、カフ上部に貯留している分泌物を
吸引しておきます。
又、口腔や鼻腔、咽頭などの分泌物を適時吸引しておきます。
特に口腔内は唾液が溜まりやすい為、吸引の回数は他の部位より多くなります。

体位の調整
肺炎の予防につながる体位は、禁忌でなければ上体を
30°~45°挙上することが推奨されています。
仰臥位だと胃の内容物が口腔の方へ逆流しやすいためです。

その他の予防・対策
カフの構造や材質などによっては肺への垂れこみをより低減する
カフもあります。

■肺炎の原因となる細菌などを少なくする
肺炎の原因となる細菌などをできるだけ少なくします。
口腔、咽頭、胃などに存在する細菌などを少なくする為には、
口腔内の清潔保持が欠かせません。又、口唇や口腔周辺、鼻腔等も
清潔にしておきます。
吸引や経管栄養など、ケアする時は清潔操作を徹底します。


◆メモ◇~~~~~~~~~◆
カフ上部に貯留した分泌物の吸引方法
吸引器を使用する方法とシリンジを使用する方法があります。
吸引器を使用する場合は、吸引器の接続管と気管カニューレの
サイドチューブ(吸引ライン、サクションライン)をつないで、
吸引します。吸引圧は痰などの吸引と同様に150mmHg以下で吸引します。
シリンジの場合は5ml又は10mlのシリンジを使用して、ゆっくりと吸引します。

カフ圧確認のタイミング
気管内吸引や体位変換、口腔ケアなどの際に確認。
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続きはこちらです→ 口腔内の清潔保持

 



◇参考文献
書籍
「呼吸サポートチームのための呼吸管理セーフティーBOOK」メディカ出版 p25~p26
「人工呼吸ケアのすべてがわかる本」照林社 p228~p229
「器械的人工呼吸マニュアル」ナース専科 文化放送ブレーン p115~p116
「実践できる在宅看護技術ガイド」学研 p151

インターネット
日本集中医療医学会HP内
人工呼吸関連肺炎予防バンドル2010改訂版
www.jsicm.org/pdf/2010VAP.pdf
厚生労働省HP内
人工呼吸器関連肺炎
www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0315-4f51.pdf
www.mhlw.go.jp/shingi/2007/03/dl/s0315-4f52.pdf


開設日:2017/01/13