〜トラ(3) 能忍寺「達磨堂」の虎
古来、虎・獅子・龍は最強の霊獣とされてきたことから、これらを従えていたり、
これらに守護されていることが、その者の高い権威や品格(品位)を示すものともされてきた。
また、寺(寺院)などにも置かれ守護獣ともされた。
能忍寺「達磨堂」に一対の虎がある。
不老山能忍寺
安房自然村内の丘上にある寺で、お薬師さまを祀る。
口伝によると、この地方は弥生時代、四国の阿波から「天富命
(あまのとみのみこと)」を長とする一族が黒潮に乗って渡来上陸し、関東一円に”黒潮文化”と言われる農耕、漁労の新しい方法を広め豊かな生活をもたらした文化の拠点だったという。
また、この丘付近には古くから朝鮮半島からの人も住み着き、舘を構えていて、お薬師さまを祀っていたという。「能忍寺」の原点ともいえよう。
現在の能忍寺の建物や堂など建造物自体は古いものではないが、
境内に置かれている人物の石像や燈籠などからは朝 鮮半島系の雰囲気が濃厚に漂う(写真左)
  
達磨(ダルマ)堂前の虎


本堂に登る丘の中腹に達磨堂があり、その前に、虎の像が一対置かれている。
達磨堂の守護獣として置かれたものである。
(トラ)像は韓国からのものだとのことだが、奉納年など詳細は不明
なお、達磨大師は、中国・嵩山の少林寺で「面壁九年」と呼ばれる
座禅での修行や「少林寺拳法」の開祖としても知られる。
丘上にある能忍寺本堂の周辺に
下のような見慣れない虎の像が4、5体散在する。

千葉県館山市布良613-3
JR内房線館山駅から安房白浜行きバス、安房自然村下車