毘沙門天の神使(お使い)は本来は百足(ムカデ)だとされる。
毘沙門天の百足(ムカデ)
百足は、「毘沙門天の教え」でもあるといわれる。
たくさんの足(百足)のうち、たった一足の歩調や歩く方向が違っても前に進むのに支障が出る。
困難や問題に向かうには皆が心を一つにして当るようにとの教えである。(寺の説明)

しかし、一般には、百足は足が多いので、おあし(銭)がたくさんつくといわれ、金運を呼ぶものとして人々の信仰を集めた。

一方では、「信貴山朝護孫子寺」や「鞍馬寺」の縁起にあるように、毘沙門天が出現したのが寅年、寅日、寅の刻であることから、「虎」もまた、毘沙門天の神使としての扱いをうけている。
信貴山本堂の扁額の左右に刻まれたお使いの百足(ムカデ)
信貴山の絵馬
毘沙門天の神使である百足と虎の絵が入った絵馬

  
白山神社〜百足の大注連縄(むかでのおおしめなわ)

白山神社の百足大注連縄(2007年1月8日に掲張されたもの)

白山神社は、鎌倉市今泉地区のの鎮守(ちんじゅ)で、社伝によると源頼朝の創建と伝えられる。
頼朝が京都へ上洛の際、鞍馬寺から授与されたとされる平安期の毘沙門天立像も納められている。
このため古くは毘沙門堂とも呼ばれていた。
この社には今でも
「大注連祭」が伝わる。
毘沙門天のお使いが百足とされることから、氏子(檀家)衆が新しい
稲藁(わら)で百足を模した大注連を作り、境内入り口に張って、地域の無事と豊穣を祈願する。

大注連は、直径20cm、長さ6m、重さ120Kgで、12組の足をつける。

神奈川県鎌倉市今泉3-13-20
大船駅から鎌倉湖畔循環バス 白山神社前下車