〜カニ 金毘羅神社(金毘羅大権現)の蟹
金毘羅大権現は漁業や航海の守護神である。
有明海を眼下に望む金毘羅山山頂にある金毘羅神社に蟹
(カニ)像が奉納された。
カニは奉納石像で神使とは異なる
江戸期で時が止まったまま…
小野の「四国金毘羅神社別宮」は、有明海が眼下に広がる金毘羅山山頂にある。
漁業・航海安全・武運長久を願って祀られた。
曹洞宗性円寺の寺領内にあり、神仏混合の祭祀がなされ、諫早領主の祈祷所とされていた。
参道や境内には天明年間の石鳥居や文化・文政の石仏群など沢山の石造物が並び、まるで江戸期で時が止まったままのようである。
今日の諫早湾は、干拓されて農地になってしまい、漁業は先が見えない。
  
金毘羅神社(金毘羅大権現)

拝殿の前の参道に、左右一対の蟹(カニ)の石像が奉納されている。
珍しい。
奉納者名は、
山田村 黒田幾蔵 父 榮太郎とあるが奉納年は見当たらない。
拝殿前の狛犬は安政3年(1846)奉納なので、
同様の石台座に載る蟹
(カニ)像もこの頃のものかもしれない。
なぜカニが奉納されたかは不明だが、カニは干潟を代表する生物なので、
漁業、航海の守護神である金毘羅大権現に豊漁・航海安全を願って奉納されたものと思われる。
奉納者名に父とあることから、息子を漁か海で亡くしたか…
蟹は、
幅が90cm前後もある石像である。

長崎県諌早市小野町
島原鉄道「干拓の里駅」下車、徒歩南へ約1時間金毘羅山頂