犬〜イヌ(4) 怪物を退治した伝説の犬たち(2) |
三毛犬、四毛犬の伝説(要旨) 和銅年間(708〜714)。高安村に、都の役人がやって来ては、年貢の代わりに春と秋に子供(一説には娘)を差し出すように命じ、村人は大変悲しみ困っていた。 ある年、文殊堂帰りの座頭がたまたま宿をとった家が、人身御供を出す家だった。 そこで、役人が「甲斐の国の三毛犬、四毛犬にこのことを知らせるな」と念を押して帰るのを耳にした。 座頭は、甲斐の国に使いをやり、三毛犬と四毛犬を借りてこさせ、いろいろ知恵を授け村を去った。 村人は、役人との酒宴の席を設け、二匹の犬を放った。 大乱闘が鎮まった後の座敷には、大狸が2匹と多数の荒狸が折り重なって死んでいた。 そばには三毛犬、四毛犬も息絶え絶えに横たわっていたが、看護の甲斐もなく死んでしまった。 参考資料:「高畠町観光協会の公式HPなど |
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石段を登り切った「犬の宮」の前に阿吽の和犬像の一対がある。
これが三毛犬と四毛犬 犬の宮 山形県高畠町高安 |
霊犬早太郎(霊犬悉平太郎)の伝説(要旨) 遠州磐田の見付に、田畑を荒らさない代わりに、人身御供に娘を強要する怪物がいた。 旅の坊さん(一実坊)は、怪物が「信濃の早太郎」という犬を恐れているのを知って、犬を探し出して駒ヶ根・光前寺から連れ帰り、次の祭りの日に娘の代わりに納めた。 「早太郎」は大乱闘の末、怪物を退治した。 怪物の正体は老狒狒(ヒヒ)だった。 「早太郎」は闘いで傷ついた体で信濃の光前寺までたどり着いたがそこで息絶えた。 「早太郎」は山犬(狼)だったという。 なお、遠州磐田の見付では、霊犬を「早太郎」ではなく「悉平太郎」と呼ぶ。 参考資料:光前寺のHPなど |
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信州駒ヶ根・光前寺と遠州磐田・矢奈比売神社(見付天神)に祀られ、霊犬の像も建てられている。
光前寺 長野県駒ヶ根市光前寺147 矢奈比売(ヤナヒメ)神社(見付天神) 静岡県磐田市見付1,114 |
その他類似の伝説として、「信濃のべんべこ太郎(犬)のタヌキ退治」妙見神社(山形県天童市下山口妙見橋)がある。 |