損害賠償額算定基準

交通事故では毎年、多くの死傷者が出ています。近年は100万人を超えています。交通事故による損害賠償問題も、その数に近い事案が生じていることになります。このような大量の事案を迅速かつ公平に処理する必要から、損害賠償額を算定するための算定基準が作られています。損害額を立証を要せずに定額で認めたり、また、算定方法の定型化が図られています。次の三つの基準があります。

@ 自賠責保険基準
人身被害者救済のための最低保障を目的に法律(「自動車損害賠償保障法」いわゆる「自賠法」)によって創設され、契約が強制されています。
A 任意保険基準
損害保険会社が運営する自動車保険の対人賠償保険の支払基準です。自賠責保険だけでは不足する分をカバーするための上積み保険です。契約は任意です。
任意保険(共済を含む)の普及率及び示談以外の解決法(裁判、調停及び交通事故紛争処理センター・日弁連交通事故相談センター)の扱い件数等からして、大多数は任意保険会社との示談によって解決しています。したがって、現状では、最も一般的に使われている基準ということになりましょうか。
慰謝料及び定額の損害費目の基準額は、裁判基準に比べかなり低額に設定されている。
B 裁判(弁護士会)基準
弁護士によって組織された団体が、現実に出た判決例を分析して基準値を割り出したもの。通称「赤い本」には東京地裁の民事交通訴訟の専門部である裁判官がかなり関与している模様。その裁判官自身がこの「赤い本」基準を活用しているみたい。少なくとも東京地裁管轄では相当な権威を持っていると見られる。
通称「青本」は全国版と位置づけられよう。なお、大阪、名古屋には地方版があります。
自賠責保険基準 任意保険基準 弁護士会(裁判)基準

 自動車損害賠償責任保険の保険金
 等及び自動車損害賠償責任共済の
 共済金等の支払基準
自動車対人賠償保険支払基準  交通事故損害額算定
 基準   
     (
青 本
  民事交通事故訴訟
  損害賠償額算定基準
     (
赤い本


金融庁 国土交通省告示 各損害保険会社  (財)日弁連交通事故
 相談センター
 (財)日弁連交通事故相談
 センター東京支部 
作成
年月
平成14年4月  各社ごと
 平成9年3月までは
 保険会社共通の統一支払基準が
 作成されていたが廃止
2006年1月 20訂版 2006年2月 35版
使用
範囲
 ●傷害120万円
 ●後遺障害は等級別に
  14級75万円〜1級3000万円
  介護を要するものは
  1級4000万円、2級3000万円
 ●死亡3000万円
保険金額の範囲内
但し、自賠責保険の分は除く
全   国
 (但し、東京・大阪・名古屋は独自基準あり
東   京



 最低ないし基本保障
 被害者保護の理念
 ・7割超の重過失のみ減額適用
 ・有無責認否困難事案の50%減額
  (半額支払)制
 ・因果関係認否困難事案の50%減額
  (半額支払)制
 任意保険会社との示談基準
 法的な強制力はない
 (裁判では、使えない)
 しかし、実質的に最も一般的な
 解決基準。
 裁判・調停・交通事故紛争処理
 センターによる解決は全体の
 数パーセントに過ぎない。

 裁判の基準
 特に赤本は東京地裁管轄の事実上の裁判基準
 自賠責保険の一定の場合を除けば、最も有利な基準

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