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自賠責保険 |
任意保険 |
| 理 念 |
被害者保護(救済)* |
損害賠償 |
| 保障の性格 |
最低ないし基本保障 |
上積み保障 |
| 填補限度額 |
傷害・等級別後遺障害・死亡の各保険金額 |
対人賠償保険金額* |
| 過失相殺の適用 |
基本的になし(重過失のみ減額)* |
厳格に適用 |
| 加入義務 |
強 制 |
任 意 |
*保険金額:保険事故が発生した場合に保険者が支払う最高限度額としてあらかじめ契約または法令で定めた金額。
■ 任意保険は上積み保険
|
保障の性格 |
てん補限度額 |
| 任意保険 |
上積み保障 |
対人賠償保険金額 |
| 自賠責保険 |
最低ないし基本保障 |
傷害・各等級別後遺障害・死亡の各保険金額 |
傷 害
|
てん補限度額 |
| 任意保険 |
対人賠償保険金額 |
| 自賠責保険 |
120万円 |
後遺障害
|
てん補限度額 |
| 任意保険 |
対人賠償保険金額 |
自賠責保険
(万円) |
4000 |
3000 |
3000 |
2590 |
2219 |
1889 |
1574 |
1296 |
1051 |
819 |
616 |
461 |
331 |
224 |
139 |
75 |
| 障害等級 |
1 |
2 |
1 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
9 |
10 |
11 |
12 |
13 |
14 |
| 別表の区分 |
第1* |
第2 |
*別表第1
| 等 級 |
介護を要する後遺障害 |
自賠責保険金額 |
| 第1級 |
1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、常に介護を要するもの
2.胸腹部臓器の機能に著しい傷害を残し、常に介護を要するもの |
4000万円 |
| 第2級 |
1.神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し、随時介護を要するもの
2.胸腹部臓器の機能に著しい傷害を残し、随時介護を要するもの |
3000万円 |
*同じ1級又は2級でも別表第1の「介護を要する」後遺障害では、保険金額が高く設定されています。平成14年4月1日以後に発生した事故から適用されています。その前は、別表は一つだけで同じ等級であれば、保険金額も同じでした。
介護を要するものについては、そうでないものより介護費用等多くを要するのでということでしょう。しかし、自賠責保険が「将来の介護費用」を独立した損害費目として新しく設けたわけではありません。
*後遺障害の最低等級は第14級で、たいていは10号の「局部に神経症状を残すもの」で、鞭打ち症の他覚的所見がないもので占められています。任意保険会社の計算書に後遺障害部分の明細がなく、ただ金額の75万円だけが記載されてあれば、それがこれだということです。因みに後遺障害慰謝料32万円、逸失利益43万円です。
死 亡
|
てん補限度額 |
| 任意保険 |
対人賠償保険金額 |
| 自賠責保険 |
3000万円 |
■ 自賠責保険の減額制度
この減額制度に、自賠責保険の被害者保護(救済)の理念がよ〜く現れています。
1. 重大な過失による減額
| 被害者の過失割合 |
減 額 割 合 |
後遺障害
死 亡 |
傷 害 |
| 7割未満 |
な し |
な し |
| 7割以上 8割未満 |
2 割 |
2 割 |
| 8割以上 9割未満 |
3 割 |
| 9割以上10割未満 |
5 割 |
2. 因果関係認否困難事案の減額
減額の対象
となる事案 |
被害者が既往症等を有していたため、
死因又は後遺障害発生原因が明らかでない場合等、
@受傷と死亡との間の因果関係の有無
A受傷と後遺障害との間の因果関係の有無
の判断が困難な場合 |
| 減額の方法 |
積 算 し た 損 害 額 |
| 保険金額未満 |
保険金額以上 |
| 積算した損害額×50% |
保険金額×50% |
以下、一家の支柱が亡くなった場合の典型例を基に、最低(基本)保障たる自賠責保険と上積み保障たる任意保険の支払額の関係を被害者の過失相殺率との関係で比較してみました。
一家の支柱たる被害者を、賃金センサス(厚生労働省が調査・作成する賃金統計)で最も多用される産業計・企業規模計・男性労働者・学歴計・全年齢の平均賃金5,554,600円(平成14年)を目安に設定してみます。
【例】 35歳男、妻子あり、年収555万円、自動車事故で即死。
加害車の任意保険の対人賠償保険金額は無制限
損害額 約9,000万円(葬儀費150万円、死亡慰謝料2800万円、逸失利益6138万円)
(逸失利益計算)
年収555万円×(1-生活費控除率0.3)×就労可能年数32年に対応するライプニッツ係数15.80 |
| 過 失 割 合 |
賠 償 額
(A)
9000万円×(100−m)% |
自 賠 責 保 険 |
任 意 保 険
支払額
(A)−(B) |
被害者
m% |
加害者
(100−m)% |
減額割合
n% |
支 払 額
(B)
3000万円×(100-n)% |
| 100% |
0%
無 責 |
0 |
(100%) |
0 |
0 |
| 90% |
10% |
900万円 |
50% |
1500万円 |
| 80% |
20% |
1800万円 |
30% |
2100万円 |
| 70% |
30% |
2700万円 |
20% |
2400万円 |
300万円 |
| 2/3 |
1/3 |
3000万円 |
0% |
3000万円 |
0 |
| 60% |
40% |
3600万円 |
600万円 |
| 50% |
50% |
4500万円 |
1500万円 |
| 40% |
60% |
5400万円 |
2400万円 |
| 30% |
70% |
6300万円 |
3300万円 |
| 20% |
80% |
7200万円 |
4200万円 |
| 10% |
90% |
8100万円 |
5100万円 |
| 0% |
100% |
損害額 9000万円 |
6000万円 |
3000万円÷9000万円=1/3 加害者の過失割合が1/3のとき、賠償額が丁度、自賠責保険の死亡保険金額と同額になる
上の例で過失相殺率が80%、90%の場合、賠償額より自賠責の支払額の方が上回っている点にご注目下さい。ここが自賠責保険の被害者保護の理念が現れたところです。自賠責保険の有利性ともいわれます。
最近の改正で自賠法が変わり解釈は分かれていますが、改正前はこのようなケースで裁判をした場合、厳格に過失相殺が適用され大幅に減額されますので、最大限5割までしか減額されない自賠責保険の賠償額の方が、例え算定基準が低くても裁判基準による賠償額を上回るということがあったのです。
このようなケースでは、さっさと被害者請求をしてしまえば、「これにて一件落着!」です。
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