交通事故の人身被害者の方が、保険会社とそこそこ納得できる示談をするためには、損害賠償のこと、自賠責保険や自動車保険の仕組みなどを知っておく必要があります。
そうでなければ、まっとうな示談は難しいでしょう。
“自動車保険請求ガイド”は、自賠責保険・自動車保険に関連して交通事故被害者の方が知っておいた方がよいと思われる知識・情報を提供します。
当サイトは、福岡県の博多で交通事故専門に業務を行っている行政書士松永が運営しています。
後遺症の専門サイトを開設しました。
交通事故 後遺障害認定サポート福岡
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● 後遺障害認定は証拠が絶対
● 何より大事な後遺障害の等級認定
● 逸失利益には分厚い算定根拠を
● 言い分は書類で
● どうしても支払い抑制の損保
そもそも法律上は、損害の立証責任は、賠償を受ける被害者の側にあります。
その後遺障害がその交通事故による受傷によって生じたこと(因果関係があること)、その後遺障害の存在が医学的に認められること、その後遺障害の程度が当該等級の認定要件に該当すること等、これらを被害者の側が証明しなければならないのです。
立証できないことの不利益は、最終的に全て被害者の側が負う結果になります。
例えば、椎間板、脊髄、靱帯、半月板などの画像上の異常は、MRI検査をしていなければレントゲン検査だけでは判りません。その結果、認定者が最も重視する画像上の他覚的所見が無いということになります。そのため原因となる傷病等を特定できず、本来12級であるべきものが14級にしか認定されないということも起こります。
医者任せ・保険会社任せでも適正な障害等級が認定される場合もありますが、後遺障害診断書への記載漏れ、必要な検査の不実施などのために非該当あるいは本来の等級より下位の等級になることも少なくありません。
主治医の先生が行った検査だけでは、賠償上の立証のために必要な検査が十分に行われたとは言えないことが少なくありません。
ここで問題なのが、どんな検査などが必要かということです。
ここでは医学の知識が必要不可欠です。
頼りにしたい主治医の先生は、賠償問題にはあまり関わりたくない、というのがホンネのお気持ちだと思います。あとあと保険会社と患者さんとの賠償問題が、トラブルになることも少なくないからです。
また、賠償上求められる医学的証明について、詳しいとも限りません。知っていても、手術をも前提とする検査のように、治療そのものに必要とされるならともかく、単に賠償目的のためだけであれば、気軽に応じるわけにはいかないようです。
そんな状況でも、後遺症の認定結果に納得がいかなければ、適正な認定等級を獲得するために異議申立をするべきですが、患者さん側からお医者さんに対して具体的に要望を伝え、必要な対応をしてもらわなければなりません。
一番問題なのが、後遺障害認定手続です。後遺障害認定が、必ずしも実態を適切に反映したものにはならない場合があるからです。賠償手続上、最重要事項の一つと見ておくべきです。
ところで、たとえ裁判をする場合でも、自賠責保険の障害認定手続において適正な障害等級を獲得しておくことの重要性は何ら変わりません。裁判により後遺障害等級も明らかになるので、自賠責保険の後遺障害認定は、あまり意味がないとお考えになるかもしれません。
しかし、裁判所は、自賠責保険での認定結果をそれなりに尊重しています。
また、裁判を始めても最終的に判決まで行き着く方がはるかに少なく、大半は和解で決着しているのが現状です。和解で決着する場合、通常、自賠責保険での認定等級が前提とされると思います。認定等級を超える等級を前提としてでは、自賠責保険からの回収が期待できないので、保険会社が合意しないだろうからです。
したがって、認定結果が妥当でなければ、異議申立により本来あるべき等級になるよう努力しておいた方が、あとあと問題を残しません。
保険会社の提示額に対し、単に「少な過ぎる」とか、「もっと多く」とか言っても、的確な理由と裏付を示せなければ説得力がありません。
増額されても、ほんの気持ち程度の額にしか過ぎません。
ところで、特に軽度の神経障害の場合、判例では労働能力喪失期間を大幅に制限しています。軽度の機能障害の場合も、喪失期間を制限したり、労働能力喪失率を低くする例が少なくありません。
また、醜状痕など一定の障害の場合、逸失利益を認めないこともあります。
このように判例は、後遺障害だからといって、一律に就労可能とされる全期間、また労働能力喪失率表所定の喪失率通りの数値によって、逸失利益を算定しているわけではありません。
請求する側は支払う側が納得して支払えるように、損害賠償を請求する金額とその根拠・裏付をできる限り十分に提示するべきです。
算定の基礎となる数値(収入額、労働能力喪失率、労働喪失期間など)は、複数の選択肢や一定範囲の幅があり得ます。その中から、なぜその特定の数値を採用するのかについて、その根拠を十分に示すことができなければ、その数値の必然性が証明されたことにはならず、希望を述べているに過ぎなくなります。

算定書の真価は、請求内容の妥当性及びその内容の前提となる事実などを理論的又は客観的にどこまで証明できるかにかかっています。
これがいわゆる「説得力」になります。
内容と裏付に説得力があれば、相応の成果が得られます。
保険会社との直接交渉であまり成果がなければ、交通事故紛争処理センターに解決の場を移したらよいでしょう。少なくとも「審査」になれば、弁護士会基準によって算定されることになっています。
その前段である「斡旋」の場合は、保険会社の意向を勘案しなければ、合意が成立しようもありませんので、なかなか弁護士会基準通りというわけにはまいりません。しかし、通常は、斡旋前の保険会社の提示額からすれば、かなりアップすることになるでしょう。
書類にまとめるには、相当考え抜かなければ出来上がりませんので、考えが深まります。
書類であれば、考えを 冷静に 論理的に 確実に 伝えることができます。
「言った!」「いや 言ってない!」なんてことはありません。書類が証拠です。
一度書類にしておけば、後は 誰にでも直接 同じ内容を伝えることができます。
書類が、あなたの言い分を主張し 説明し、読む者を説得します。

問題が多い後遺障害の場合をみてみましょう。
<保険会社の賠償提示例>
後遺障害による損害 合計 224万円 (認定障害等級12級)
保険会社の計算書には、後遺障害による損害の「合計額」だけが記載され、その内訳である「逸失利益」と「後遺障害慰謝料」の金額が書かれていないことが少なくありません。
先の金額は、「自賠責保険(強制保険)」12級の後遺障害保険金額ですね。
保険会社とすれば、とりあえず自賠責保険分を提示して反応を見てみよう、これで示談ができれば儲けものというところでしょうか。
■ 後遺障害慰謝料
各社個別に作られた任意保険基準ですが、後遺障害の慰謝料額は裁判基準の半分以下が多いようです。
裁判には経済的・時間的等のコストがかかりますが、保険会社との直接交渉ではこのコストがあまりかからないので、慰謝料が少なくてもそう悪くはなかろうということなのでしょうか。
任意保険の対人賠償支払基準は、一私企業が独自に定めた支払い目安にしかすぎず、事実上はともかく、法的には何らの基準になるものではありません。
■ 後遺障害による逸失利益(将来の収入減)
逸失利益=収入額×労働能力喪失率×喪失期間に対応する係数
後遺障害に対する将来補償である逸失利益は、次のやり方で少なく見積もられがちです。
● できるだけ少ない収入額を使う
賃金センサス(統計値)の全年齢平均賃金額を使える場合などに、事故前の低い実収入額を使う。
● 労働能力喪失率を低く見積もる
最初の短い年数は所定の喪失率だが、後の何年かはその半分以下の喪失率にするなど。
● 労働能力喪失期間を短く見積もる
特段の理由もなく、判例傾向よりも大幅に喪失期間をカットする。
また、同じ12級でも、機能障害は神経障害より喪失期間が長いのが判例の傾向だが、神経障害並みに扱う。
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