| Schwarze Katz Story 本編 | ||||||
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第1話 Schwarze Katz 第2話 仲間たち 第3話 片目のネズミ 第4話 ねこじゃらし 第5話 友達 第6話 女の子 第7話 天敵 第8話 襲撃 第9話 出会い 第10話 白と黒 第11話 白猫の怪我 第12話 別れ 第13話 黒猫の最後 | ||||||
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黒猫の絵〜オニキスさんから 「半月ノ夜」〜オニキスさんから | ||||||
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1匹の黒猫がどこからか現れ、私の右足に体をこすりつけた。
そのまま右足の周りを回ったかと思うと、
次は左足に体をこすりつけるように左足のまわりをまわる。
8の字を描くように、私の足元をぐるぐるとまわる。
黒猫はよほど気に入っているのだろうか!?赤い首輪をくわえている。
まるで、それをつけてくれとでもいっているようだ。
赤い首輪には少し大きめな鈴がついている。
猫の口から首輪を取り上げようとすると、すぐに首輪をはなす。
そして、その首輪をじっと見つめている。
ためしに黒猫の目の前で首輪を振って鈴を鳴らしてみる。
黒猫はその鈴の音に合わせて首を振り、鈴の音が終わるとじっとその首輪を見つめている。
私はその首輪を黒猫につけてやった。
黒猫は少し目を細めてニヤッと笑ったかと思うと、くるっと後ろを向いて歩いていってしまった。
どことなく、赤い首輪をつけてもらったことにに嬉しそうに見えた。
そしてその堂々とした歩き方は誇らしげでもある。
黒猫がいなくなった後も、いつまでも鈴の音だけがかすかに聞こえていた。
これが、私とこの黒猫との出会いである。
たくさんの猫たちがエサを求めて集まっている。
三毛猫や、茶っ毛や、灰色の猫。さまざまな毛並みの猫たちが集まっている。
でもその中に黒猫はいない…。
黒猫がそこを通ると猫たちは威嚇し始めた。
黒猫はそれを気にしなかった。
威嚇する猫たちをスルスルとかわして通り過ぎる。
赤い首輪についた鈴をチリン、チリンと鳴らしながら。
他の猫たちはその鈴の音が完全に消えるまで警戒していた。
そして、またエサをむさぼり続ける。
黒猫はどこで取ったのか魚をくわえていた。
そして、かわら屋根の古い家の裏庭にある、壁にぽっかり開いた穴に入っていた。
そこには、4匹のネズミが待っていた。
あの猫たちにやられた片目のお父さんネズミ。
それから、お母さんネズミに子ネズミたち。
黒猫は何も言わずにネズミたちといっしょに魚を食べ始めた。
黒猫は魚を取ってきては、ネズミたちといっしょに食べていた。
穴の中ではネズミたちが小さく固まってじっとしている。
時々、穴の外から毛むくじゃらがのびてくる。
しかし、ちょっと目を離した隙に、何にでも興味津々の子ネズミが
その毛むくじゃらに近付いていた。
慌てて連れ戻そうとした時には、
穴の外から大きなけむくじゃらがニヤッと笑っていた。
お父さんネズミはとっさに子ネズミに体当たりをする。
三毛猫はお父さんネズミを穴からかき出した。
子ネズミは初めてけむくじゃらのその凶暴さを目にして、
穴の中でぶるぶると震えている。
そんな子ネズミに向かって穴の奥へ入るようにと叫んだ。
三毛猫はお父さんネズミに食らいついた。
次の瞬間、三毛猫はギャーと叫んでお父さんネズミを離した。
三毛猫は背中に噛み付いた黒猫をにらみながらも、すぐに逃げだした。
黒猫は血を流したお父さんネズミを、できるだけ穴の奥へと戻してあげた。
ぶるぶると震えていた子ネズミも、お父さんネズミに寄りって泣き出した。
お父さんネズミは穴の外にいる黒猫をみた。
その黒猫は一瞬ニャッと笑ったかと思うと、黙って立ち去った。
遊んでいる黒猫と子ネズミたちを見つめながら、片目のネズミはその時のことを思い出していた。
黒猫はたくさんのねこじゃらしをくわえて、ネズミたちのところへやって来た。
それをくわえて子ネズミの目の前で揺らしてみせる。
子ネズミたちは大喜びで黒猫のくわえたねこじゃらしを追いかけた。
黒猫はわざとつかまりそうなぐらいスピードを落として見せると、
今度は飛び越えてまた逃げ回る。
子ネズミたちはねこじゃらしめがけて何度も飛びかかるが、なかなか捕まえられなかった。
黒猫と子ネズミたちの追いかけっこはしばらくの間つづいていた。
片目のネズミとお母さんネズミは楽しそうに見ている。
黒猫も子ネズミもお互いが疲れたところで、やっと追いかけっこは終わった。
黒猫が丸くなって目をつぶった。
子ネズミたちは黒猫の前足に頭を乗せて目をつぶった。
黒猫が目を覚ました時、子ネズミたちが笑っている。
赤い首輪に何本もささったねこじゃらしに黒猫は気づいた。
顔のまわりにささった猫じゃらしは、まるでライオンのたてがみのようだった。
黒猫はウ〜ッとうなったかと思うと子ネズミたちを追いまわした。
片目のネズミとお母さんネズミは楽しそうに見ていた。
そのクマはいつも公園の隅にいた。
黒猫は、くわえていた魚を黒猫はそのクマの目の前で食べた。
黒猫には、このクマが食事を必要としないことを知っていた。
ある時、まったく動かないクマにの目の前に魚を置いてあげた。
しばらく、そのクマが魚を食べようとしないことに心配して見つめていた。
そこで、すべり台の後ろに隠れてみた。
それでも、クマは魚を食べようとはしなかった。
長い間すべり台の影からみはっていたが、食べるどころかいっこうに動かなかった。
次の日も、その次の日も魚を運んであげたが、食べる様子はなかった。
黒猫はそのクマの前で魚を食べて見せたが、クマは不機嫌そうな顔一つしなかった。
魚を食べ終えた黒猫は、クマの腕を軽く噛んだままクマのお腹へともぐりこんだ。
クマが自分の背中から落っこちないように、最初はゆっくりと動いてみる。
しだいに、スピードをあげて公園の中を走り回った。
クマはやはりにこやかな顔をしている。
黒猫はさらにスピードをあげた。
すべり台を一緒に滑ったり、砂場のお山や草をぴょんと飛び跳ねたり、楽しそうに公園の中を走り回った。
このクマは動いたり話したりはしないが、黒猫にとって大切な友達だった。
今日も黒猫は公園に来ていた。
黒猫が公園にいくより早く、クマのところには人間の女の子がいた。
お腹の穴から出ている綿の中へ指を入れて、大事そうに抱えている。
女の子はそのままどこかへクマを連れて行こうとしていた。
黒猫は寂しそうにそれを見ている。
女の子が歩き出すと黒猫もついて歩いていく。
女の子が振り返り黒猫に気付くと、黒猫はウッ〜とうなった。
女の子は一瞬怖がったが、黒猫を気にして振り返りながら歩いていった。
とうとう女の子は自分の家に入っていってしまった。
寂しそうに、黒猫はその家の門の影でじっと閉まった扉を見つめ続けた。
しばらくして、家の中から女の子泣き声が聞こえてきた。
扉が開いて、女の子のお母さんがクマをもって出てきた。
女の子も泣きながらお母さんについて出てきた。
黒猫は少し離れて見ていると、お母さんが門の前にクマを置いてくれた。
泣いている女の子をなだめながら、お母さんと女の子は家に入っていった。
黒猫は喜んで、クマを今度こそ持っていかれない秘密の隠れ家へと運んだ。
お腹の穴を縫い付けられたクマは、どこかしら前より元気に見えた。
黒猫はお腹がすいてふらふらだった。
ネズミたちのところへ来るとすぐによろけて倒れこんでしまった。
ねずみたちは心配そうにみていたが、片目のねずみはお母さんネズミとなにやら話し始めました。
そして子ネズミたちといっしょに黒猫をどこかへ案内するようです。
ネズミたちは黒猫を家の外へと連れて行きました。
そこには大きな穴の開いた小屋がありました。
黒猫はギョッとして立ちすくんでいると、ネズミたちは小屋へと入っていきました。
その小屋から大きな犬がネズミたちと一緒に出てきたのです。
ネズミたちは犬と仲良くご飯をたべはじめました。
黒猫が立ちすくんでいると、子ネズミが前足を引っ張ります。
黒猫はおそるおそる子ネズミの後についていきました。
さっきまでおとなしかった犬は黒猫の方をみると突然、ワゥ〜ンとほえました。
黒猫は驚いて遠くへ逃げ出しました。
子ネズミは平気な顔で犬の方へ歩いていきました。
ネズミたちは黒猫が遠くの方で立ちすくんでいるのを見ると笑い出しました。
すこし恥ずかしそうに黒猫はその場を動こうとしませんでした。
子ネズミはご飯を抱えて、黒猫のところへ持っていってあげました。
犬はまるで知らん振りでネズミたちと仲良くご飯を食べまていました。
黒猫はネズミたちと遊んでいた。
あまりにも夢中になっていた黒猫は草むらに隠れたたくさんの猫たちに気付かなかった。
片目のネズミが急に立ち止まり叫んだ。
それとほぼ同時に猫たちが黒猫たちのまわりをかこんでいた。
黒猫はネズミたちをかばうようにして、穴へ向かおうとしたが立ちふさがれてしまった。
ネズミたちをかばいながら猫たちと戦うには、あまりにも数が多すぎです。
自分の体を盾にしてネズミをかばいました。
ネズミたちは黒猫のお腹にしがみつきました。
それでも猫たちは黒猫に体当たりをしたり、お腹めがけて爪を振り回したりします。
黒猫は穴へ戻ると見せかけて、ネズミたちをぶら下げたまま反対方向に走り出しました。
猫たちは黒猫を追いかけてきました。
黒猫は犬の小屋の近くに来ると、一瞬立ち止まり振り返りました。
追ってくる猫の数を確認すると、意を決したように犬の小屋へと飛び込みました。
つられて猫たちは犬の小屋へ飛び込みそうになりました。
しかし、中からゆっくりと出てきた犬に驚いて立ち止まりました。
犬が思いっきり大声でワゥ〜ンと吼えると、猫たちはいちもくさんに逃げていきました。
ネズミたちを小屋の中に残して出てくると、犬の顔を見ました。
犬も黒猫を見なりワゥ〜ンと吼えました。
黒猫は震えながら遠くの方へ逃げて行きました。
小屋から出てきたネズミたちは犬と一緒になって笑っていました。
たくさんの猫がエサをあさっていた。
白猫は他の猫達となにかはなしていたが、他の猫たちは白猫の話に耳を貸そうとしなかった。
きょろきょろとあたりをみまわしていた白猫は、どこかへ歩き出した。
二匹の子猫が蝶々を追って飛び跳ねていた。
そのうちきょろきょろとあたりをみまわすと、ミャアミャアと泣き出した。
もう蝶々を追うのをやめて泣きながらとぼとぼと歩き出した。
時折、ミャ〜アと長く泣いてみては、またとぼとぼと歩き出す。
黒猫は前から歩いてくる二匹の子猫に近寄りました。
二匹の子猫は近付いてくる黒猫にギョっとして一瞬立ち止まりました。
黒猫はそれにかまわず二匹の子猫に近寄ってミャアと短く鳴くと、そのまま歩き出しました。
二匹の子猫は前を行く黒猫に不安な表情を見せずに付いて行きました。
黙々と歩く黒猫に引き離されないように一生懸命歩きます。
しばらく歩くと見慣れた風景が飛び込んできました。
前方に白猫を見かけると黒猫を追い抜いて走り出しました。
白猫に近付くと黒猫の方を見て、また黒猫の方へ歩き出しました。
白猫は黒猫に向かってうなり声を上げています。
黒猫も二匹の子猫に向かってうなり声を上げました。
二匹の子猫は立ち止まると、白猫の方へ戻っていきました。
くるりと後ろを向いて歩き出す黒猫を見えなくなるまで、じっと白猫は見つめ続けました。
白猫は水面に映った自分の顔を見ていた。
鏡のように映った自分の顔の後ろに、黒猫が現れたことに驚き後ろを振り向いた。
期待はずれの茶色の猫にさらに驚き、ミャッと威嚇して立ち去った。
焚き火の跡、白猫は恐る恐る確認するように前足をのせた。
前足に付いた炭をほおにあてて、ミャ〜ッと鳴いた。
思い切ってその焚き火の跡にゴロンと寝転がって、ぐるぐると回転した。
気が付くとたくさんの仲間の猫が、真っ黒になった白猫に向かって威嚇していた。
白猫はギョッとして慌てて、その場を逃げ出した。
黒猫はネズミたちが台所から持ってきた小麦粉の袋に飛び乗った。
袋から噴出した粉を全身にかぶって真っ白になってしまった。
鏡の欠片を覗いて自分の顔と白猫を、頭の中で重ね合わせてニャッと笑った。
不思議そうに見ている子ネズミたちに気付いて、ミャッと威嚇して外へと出て行く。
外の水道の蛇口から水を出し全身を洗って、ブルブルッと体を震わせて水を飛ばす。
黒猫は芝生に大の字になって体を伸ばしながら、大空を見上げた。
青い空に浮かぶ一つの白い雲が、白猫の顔の形に見えてまたニャッと笑った。
子ネズミたちが黒猫のヒゲを両側から軽く引っ張った。
黒猫は立ち上がると子ネズミたちを振り払うと、ミ〜ヤッと唸った。
ミャ〜っと空に浮かぶ雲に向かってもう一度鳴いた。
それを見て、片目のネズミとお母さんネズミは顔を見合わせて笑っていた。
白猫は仲間から離れた子猫たちを追って街はずれに来た。
目の前から車が走ってきたので、白猫はぴょんと飛び避けた。
しかし、着地した場所には割れたビンの破片があり、前足を深く切ってしまった。
薄れゆく意識の中、蝶々を追った子猫が仲間の方へと帰っていくのを見て白猫は安心した。
白猫が意識を取り戻した時、前足を舐めていたのは子ネズミだった。
びっくりした白猫は起き上がろうとしましたが、立ち上がることは出来なかった。
その時、白猫のお腹がキュッとなり、子ネズミたちは一瞬ビクッとした。
顔を赤らめている白猫を見ると、子ネズミたちは笑いながら前足を舐め続けた。
しばらくして、黒猫は2匹の魚を取って帰ってきた。
1匹はネズミたちにあげ、もう1匹を白猫にあげた。
白猫は魚を半分黒猫に返そうとしましたが、黒猫は白猫に食べるように促した。
そして、黒猫は庭へと出て行った。
独りになると黒猫のお腹はキュッとなり、その場に座り込んで動けなくなった。
片目のネズミは犬からご飯をもらってきて、黒猫へと食べさせてあげた。
黒猫は今日もお腹をすかしていた。
片目のネズミは犬からご飯をもらおうとしたが、既に犬が食べてしまった後だった。
黒猫と片目のネズミは顔を見合わせて、何やら話を始めた。
白猫の怪我はすっかり治り、子ネズミ達と遊んでいた。
そのうち、子ネズミ達は白猫のお腹に頭をもたせかけて眠ってしまった。
白猫はそれを見ながら子猫達が、また仲間から離れやしないかと心配した。
そして、片目のネズミと話している黒猫のお腹がなるのに気付いた。
子ネズミたちが起きると、黒猫は白猫を外に連れ出した。
並んで歩く2匹の猫はそれぞれ、子ネズミ達と子猫達のことを考えていた。
そして、他の猫達の溜まり場に来ると、黒猫はいきなり白猫を威嚇した。
お互いの猫はお互いを威嚇しながらも、目に涙を浮かべていた。
黒猫はその場を立ち去ると、他の猫達が待ち伏せしていて黒猫に襲い掛かった。
不意を突かれた黒猫はお腹に大怪我をしながらも、その場から立ち去っていった。
病院の待合室で男の子が絵を書いていた。
男の子絵は斜め後ろに座っていた私にははっきりと見える。
絵の真ん中には堂々として誇らしげな黒猫。
周りには子ネズミ達と片目のネズミとお母さんネズミ。
少し大きめに可愛らしい白猫と子猫達。
端の方には沢山の猫達の顔が並んでいた。
隣にいる母親が男の子の鼻水を拭ってあげた。
その時、男の子の書いていた黒猫のお腹に赤いクレヨンがついた。
母親を責める男の子に、母親が"ごめんね"となだめている。
腹を立てていた男の子は、”診察が終わったらぬいぐるみを買ってあげる。”
そんな母親の言葉に反応した。
母親は男の子に何がいいか聞くと、男の子は”黒猫がいい。”と答えた。
待合室には男の子とその母親の笑い声が響いた。
私はその男の子の絵を見ながら、こんな黒猫の話を想像していた。
このHPのタイトルを『Schwarze Katz』に決めたのは、
『ZELLER
SCHWARZE
KATZ 』というワインがきっかけです。
ワインのラベルの黒猫の絵、それを見ながら生まれたストーリーです。
第13話により夢を壊す結果となってしまったかもしれません。
しかし、この話がほぼ事実だということであり、実在する黒猫です。
そしてまた、読んで頂いた方の心の中にも黒猫が…
いや、また別の生き物が実在するのかもしれない。
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