第3.50話 さつきちゃんへ |
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……………………………………………… ………………………………………………………………………………………… それから突然だけど、さつきちゃんに謝りたいことがあります。 私、退院した後、あの男の子を探したの。もしも、あの男の子ともう一度会うことが出来れば、さつきちゃんともまた会う事が出来るんじゃないかと、子供心にそう思ったの。 さつきちゃんが一度も通う事が出来なくて、ずっと行きたがっていたあのN小学校。生徒数が全国で一番多い学校になったんだよ。私が入院するまえ一年生は11クラスもあったの。 三年生の冬にもあの時みたいに大雪が降って、確か5年生の時もその二年後も。そのたびに、あの日のことを思い出さずにはいられなかった。 今住んでいるのは九州、福岡県の北九州市というところ。こっちの大学に進学して、就職もこっち。 それまで、さつきちゃんの事も男の子の事も、誰にも話したことはなかった。なんだか、誰かに話してしまうと、ただの思い出のようにとても軽いものになってしまう気がしたから。 忘れてしまいたいなんて思って、本当にごめんなさい。これからも、さつきちゃんとはずっとずっと友達だよ。 |
…………………………………………………………………… あの子の友達になってくれたこと、あの子を忘れずにいてくれたこと、そして結婚の報告まで…本当にありがとう。あの子もきっと喜んでいます。 素敵な人にめぐり会えたのね…まるであの子のことのように嬉しいです。幸せになってくださいね。御結婚、おめでとうございます。 ……………………………… This story was written by Dink in HP『しろく』. |