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第11話 おまけつき


●おまけがついている商品
 いろいろな物があり、中でもお菓子が有名である。最近ではそのおまけの方がメインでありお菓子つき商品と言えなくもない。
 どちらがおまけなのかはともかくとして、「おまけ」という品物とお菓子という品物が元々からセットになっている商品である。つまり、「おまけ」がついている商品とは言えても、後述の「おまけ」がついてきた商品とは明らかに別物と言える。

●おまけをつけてもらった商品
 元々はついていなかったが対面販売などで値引きの代わりにおまけをつけてもらうという場合である。

●おまけがついてきた商品
 誰の意志でもなく偶然その商品についてきたおまけ。本人も思ってもいなかったのにおまけがついてきた時、人は得した気分になる。


 鍵を開けて扉を開けると、部屋の中から少し畳の匂いがする。線香の匂いにも似ている。真っ先に窓を開け放ち、新鮮な空気を入れる。大学に入学のために借りたこの部屋には、今日初めて入ったのだった。
 いったいどこの不動産屋が良心的なのか判断するのは難しい、また面倒くさいという理由で安易にTVCMを見て電話だけで決めてしまったのだ。
 CMの電話番号に問い合わせの電話すると、思ったよりも家賃が安く大学へのアクセスも便利であることが分かり、なにより敷金礼金無しという歌い文句に着目した。
 一通り部屋を見回す。思っていたよりも部屋が狭いと感じるが、不満に感じるほどではない。むしろ、クーラーや冷蔵庫と電話、セパレートではないにしろバスとトイレ、申しわけ程度のキッチンだが多少の調理も可能な電気のコンロ、一式必要なものが備えられていて便利である。一階にはアイスとドリンクの自動販売機、それから専用のコインランドリー、おまけに管理人に申し出れば酒やコーヒーまで飲めるラウンジまで利用できる。
 これほど何もかもそろったマンションがなければお金がかかりすぎると、おそらく両親も一人暮らしを認めてはくれなかっただろう。間違いなく、片道二時間半の距離を通学するように言われただろう。
 突然、玄関のベルが鳴った。誰だろうかと考えながらドアに付いている小さい覗き穴を覗く、広角レンズごしに向かいのドアが見えるが誰もいない。どうやら、視界に入らない所にいたらしい。数歩だけ横歩きをして女の子が見え、首をちょこんとかしげてニコリと笑っている。すぐに頭の中で、このホエルズマンションのCMが流れ出した。


「敷金礼金なし」文字とともに女の子の声で叫ぶ。「全国どこでも駅から歩いて十分以内」両手を挙げたモデルの女の子が叫ぶ。画面が変わりホエルズマンションの連絡先などが表示される。また画面が変わり全国のうちのどこか一箇所のマンションの概観がパラパラと数枚の写真が映し出される。
 そして最後の写真を背景に始めて女の子が全身で映し出される。髪の毛を左右の両方で縛りタンクトップに短パンとサンダル。活発で健康的な印象を与える格好で無邪気に笑っている。
 背景の写真の建物が映像の建物へと映像処理を施され、女の子が駆け出すともにその映像に合わせて小さくなっていき、そのマンションの入り口へと入っていく。
「どのマンションにもエレベーター完備」エレベーターの扉が開くと共に、中から出てきた女の子が叫ぶ。ドアが対面した通路をしばらく歩いて一つの部屋に入っていく、女の子だけ一旦その部屋に入りドアを閉める。もう一度少しだけ開いたドアからちょこんと顔をだしてニコリと笑う。「私も付いてるよ。なんちゃって」そう叫ぶともう一度ドアを閉める。
 最後に勝手にドアが開いて部屋の中映し出される。しかし、もうそこには女の子がいない。ホエルズマンションのCMはそこで終わる。

 まさしく、ドアの覗き穴の向こうにいるのはCMに出ていたモデルの女の子であり、囁くように「開けてよ」と言ってニコリと笑っている。
 ドアを開けるともう一度女の子がニコリと笑う。服装はCMの時とは違って白いワンピースを着ているが、髪形は変わらないのであのモデルの女の子だと理解するのは容易である。マンションの連絡先の電話番号をメモするために何度も見たため、この女の子に対する記憶も強くインプットされてしまったのだ。
 ビデオデッキを持っていなかったため、何度も何度もCMが放送されるたびに少しずつメモしていく。書き写す作業が終わっても、CMが放送されるたびに気になってついつい見入ってしまうほどだった。
「ねぇ、私のこと知っている?」
 彼女は僕が頷くのを確認するとさらに続けた。
「あのCMってこの部屋で撮影されたんだよ。私も付いてるよ。なんちゃって」
 CMに映っていた建物と実際に見るのとでは雰囲気が違っていた。しかし、言われてみれば同じ建物なのだと納得でき、このマンション内の廊下も部屋の位置も同じである。思っても見ない偶然に驚いているのを見て彼女は楽しそうに笑った。
「それなら話が早いわ。あのCMの時、イヤリングを片方しかしてなかったの覚えている? 撮影の前に無くしちゃって……そのまま撮影しちゃったの。まだこの部屋にある筈だから、探させて欲しいの。入るわね」
 彼女の言葉を頭の中で整理するように考えていた。
 片方のイヤリングだけはめて撮影される事などあるのだろうか、それならばもう片方のイヤリングを外して何も付けずに撮影するのではないだろうか。それに、あのCMが撮影された後、この部屋の住人は何度も入れ替わったはず、なぜ今更探しに来たのだろう。彼女に対する興味からか、不思議と次々疑問が湧き出した。
「あっ、あった。あれだよ」
 彼女は、妙に考え込んでしまった僕の後方の床、部屋の奥を指さして叫ぶ。僕は振り返り部屋の奥の方へ入って行き、まだ梱包されたままの箱の間を念入りに調べた。
「ねえ、どこ?」
 玄関の方を振り返ると彼女はいない。玄関のちょうど反対側にあるベランダに通じるサッシが大きく開け放たれている。ベランダの手すりに両手をかけて、俯いて悲しそうに下の方を見つめている。頬に流れる一筋の涙が、太陽の光に照らされて一瞬だけキラリと光った。
 次の瞬間、彼女は鉄棒のように飛び上がって手摺りの上で肘をのばしたかと思うと、そのまま前回りをするようにして消えてしまった。
 実際には一瞬のことではあったが、随分時間が経った後でズシリと鈍い音がしたように思える。彼女が立っていたベランダは無機質なコンクリートが殺風景で、その手摺りより上半分には白い雲の背景が広がっていた。


 彼女が尋ねてきた日からちょうど一週間になる。あの日から、体が重く感じられ新しい生活を始めたばかりなのに、何もする気が起こらない。それでも、最小限の入学準備だけは気力を振り絞って済ませた。
 まるであの日のことが嘘のように感じる。本当は何も無かったのではないだろうかとか、 自分は誰かに騙されたのではないだろうかとか、それともテレビのドラマを見ただけなのにさも現実のことのように記憶が思い違いをしているだけではないかとか、あらゆる可能性を考えた。
 あのズシリと鈍い音は頭に付いて離れないのに、死体など何処にも無く、そんなニュースも流れたりはしない。何もなかったかのように、他のマンションの住人は暮らしている。もちろん誰も信じてくれるはずが無いだろう。自分だけが他の人達とは違う時間で生きているかのようにも感じられた。
 このマンションの契約では解約の1ヶ月前までの手続きが必要だという。今すぐ引越しするには今月の家賃と来月の家賃が必要であり、おまけに新しい部屋の敷金やら礼金やらが必要となる。両親は、そんな馬鹿げた話がある筈がないと信じてはくれず、どうせ部屋が気に入らないから引越しをしたいのだろうと思っているようで、引越しは無理な事だとあきらめて、ただあの出来事が嘘だったのだと忘れるしかなかった。
 忘れよう。忘れなければいけない。玄関のベルが鳴ったのはそう考えている最中である。管理人には契約内容の説明を受けただけで、最終的にどうするのかは伝えていない。出来るだけ早く決めて欲しいと言っていたので、その確認のために来たのかもしれない。あの事を思考から排除するように、そうであってほしいと心の中で念じた。
 恐る恐るドアに付いている小さい覗き穴を覗く、広角レンズあの女の子が見え、首をちょこんとかしげてニコリと笑い「開けてよ」と囁いた。
 その声には脅迫めいたものはまるでなく、優しくお願いするようである。そのためだろうか、妙に落ち着いて、そもそもこのドアの向こうで囁き声がこちらに聞こえるのだろうかと疑問に思い。このぶ厚いドアの向こうの囁き声が聞こえるはずがないという思考に到達すると、ぶるっと体に震えが走った。
「あなたには何もしないわ。大丈夫だから開けてよ。私はしなければいけないの。開けてくれないなら、勝手に開けさせてもらうわよ。」  彼女は優しく囁いた。
 チェーンロックがドアの向こうから磁石で動かされるように、ゆっくりと勝手に持ち上がる。ジャランという音をたてて落ちたチェーンがドアに何度かぶつかりジャランジャランと音を立てる。鍵のカチャリと音と共に横向きから縦向きへとつまみが動いた。
 思わず手を伸ばした時にはドアノブがゆっくりと回っている。彼女はドアノブを回しただけであり、焦って掴んだ瞬間に自分で押し出すように開いてしまったのだ。ドア共に勢い余って自分の体も外側へと押し出された。
 彼女はスルリとすり抜けるようにして部屋の中に入っていく。慌ててそれを追いかけて「待って」と叫ぶ。驚いた彼女はこっちへと振り返った。
「もう駄目だよ。こんな馬鹿なことは止めるんだ。何があったか知らないけれど、お願いだから……止めた方がいいよ」
 そういいながら彼女の抱きしめる。すり抜けるのかと思ったが、ぬくもりは感じられないものの、人肌の柔らかさは感じられた。しっかりと抱きしめて彼女の首筋を通り越して背中を見つめていた。
 もう一度、彼女と向き合ってはなさなければいけないと思い、抱きしめていた手をはなして後へ後ずさりしようとした。
 僕の頬が彼女の頬をこすると、冷たい液体が僕の頬をぬらす。最初は汗だろうかとも思ったがねっとりとしている。その液体が血だと分かったのは赤い色が視界に飛び込んでからだった。
「私に障らないで。何度も何度もここから飛び降りて、生きていた時と同じ体でいられるようになったのよ。でも、これでまた最初からやり直しになっちゃったわ。この部屋、なかなかドアを開けてくれる人が住みつかないの。私は、あなたを許さない。元の姿に戻るまで、何度もドアを開けてもらうしかないわね。絶対、あなたを逃がさないから」
 それまでの口調とは違う。静かでキツイ言葉がストレートに突き刺さるように感じる。彼女の頭からはかぶったように血が流れていて、そこには笑顔はなく冷たく見つめる目だけに妙に引き付けられる。ハッとして思わず目をそむけた。
 崩れ落ちるように膝をついて床にぽたぽたと落ちている血を見つめる。手の平で頬をなでると、手の平に薄く延びた血が赤い。床に点々と続く血は一見ランダムのようにも思えたが、一定の間隔をあけてリズム良く並んでいて真っ直ぐ大きく開いたサッシへと伸びている。それが彼女の飛び降りなければならないという意志の固さを現しているようにも思える。そして、ベランダには彼女の姿はもう無く、ドサッという鈍い音だけが白い雲の背景に聞こえた。


 その後のことは物凄く長い時間が過ぎたような気がする。顔や手を洗ってから、しばらくその場に座り込んで、また思い出したかのように、床からベランダまでに落ちていた血を吹いてからすぐにフトンを敷いて寝た。
 次の日の朝になっても彼女の妙に引き付けられる冷たく見つめる目が頭から離れずに残こっている。目を瞑ると目の前でまだ見つめている感覚がする。目を開けていてもそれなりの大きさの白い物が彼女の目ではないかと錯覚したりもした。
 突然、電話のベルが部屋中に響き渡り、心臓が止まりそうになる。心配した母親からである。まだ馬鹿なことを考えているのではないのかとか、ホームシックになったのではなのかと一方的に話しまくる。安心感のある母親の声を静かに聞いていることだけが、あの事から開放される唯一の救いだった。
 しばらく、ただ聞く側でいただけだったが、一通り母親の話も終わりもうそろそろ電話を切りそうになった時、「母さん……」そう切り出そうとした時だった。
「大丈夫だよ。心配しないで。そう言って安心させてあげるのよ。絶対、あなたを逃がさないから。言うとおりにしないと、あなたはこの部屋から出られなくなるわよ。私にはこのドアを自分で開ける事はできないわ。でもそれは、この部屋から出たあなたをどうにでも出来ると言う事でもあるのよ。さあ、早く言いなさい。大丈夫だよ。心配しないでって……」
 ドアの向こうから突き刺さるように冷たい口調の彼女の言葉が聞こえ、受話器を握った手が振るえる。彼女の言うとおりにするしかなかった。
 その後も、彼女の言葉が聞こえ、管理人への引越しをしないと告げさせたり、不動産屋の看板をみただけで早く立ち去るようにとか、引越しをさせないための脅迫が続いた。

 まもなく、大学の入学式やらちょっとしたイベント等も終わり少しずつ講義も始まり、一週間後の水曜日がきて、あの時間を避けて寄り道をしようと考えたが、それも彼女の脅迫の声に従って寄り道せずに帰るしかなかった。
 部屋には一応は鍵をかける。ただ気をまぎらわすために付けたテレビには上の空で、ちらちらと時計を気にしては、体を震わせながら玄関のベルがなるのを待つしかなかった。
 やはり、ベルがなったのは前回と同じぐらいの時間である。多少は気持ち的に準備をしていたはずだが、一度目のベルがなっても身動きする事が出来ない。続いてなったベルは何度も連続でボタンを押したようで、せかすようになり続けた。
 ドアの広角レンズの穴を覗くと、頭から血をかぶった彼女がじっとこちらを見ている。特に目はきりっと細く冷たく、やはり妙に引き付けられる。はっとして後ずさりしてしまった。
 そのことに彼女は気付いたかのように、また連続して玄関のベルを鳴らす。いくら耳を抑えても頭の中に入ってきて鳴り止まない。天井近くにあるボックスのスイッチに手を伸ばして、ブレーカーを落とした。
 それでも、耳鳴りが頭の中を駆け巡っている。強く両耳を抑えて膝を抱えて座り込んでしまい、ただ耳鳴りが鳴り止むのを待つしかなかった。
 いくら耳を抑えてもその耳鳴りは治まらず、それどころかブレーカーを切る前と一向に変わっていない。彼女の「開けてよ」という声が頭の中にこだまする。これは耳鳴りではない。玄関のベルの音も彼女の声同様に、自分の頭の中に直接入ってくるのだと悟った。
「いい加減にしてくれ。もう止めてくれ」
 思い切り玄関の脇の壁を叩きながら叫び、玄関のベルと彼女の声を掻き消そうとしたが無駄だった。
「うるさいぞ。壁を叩くな」
やり返すように隣の住人が壁を叩きかえして叫ぶ。直接頭に入ってくる玄関のベルも彼女の声も、自分の頭にだけしか聞こえていないことの証明である。隣の住人にはあのけたたましく鳴り響く玄関のベルは聞こえていないのだ。
 足が震えてなかなか立ち上がることは困難だったが、壁にもたれるようにして立ち上がり、ブレーカーのスイッチを入れる。それに反応するかのように、チェーンがじゃらんと落ちてカチャリと鍵が開く、待ちきれないといわんばかりにドアのノブが勝手に回った。
 ドアのノブよりも上の方のパネル部分をゆっくりと押すようにしてドアをあけて、ドアと一緒にそのまま廊下へと出た。
 彼女はすり抜けるようにして部屋の奥へと入っていき、しばらくしてから、鈍いドサッという音が聞こえる。その場に座りこんで、ただ床に落ちた血溜まりを見つめた。
 それからも彼女は毎週やって来た。後に残るのは玄関からサッシまで点々と続く血と、大きく開け放たれたサッシの向こうに白い雲の背景だけだった。


「今、開けるからちょと待って」
 玄関のベルが鳴り返事をする。急いで鍵を開けてドアを大きく開いて、ドアと一緒に自分自身も廊下へと出た。
「さあ、どうぞ」
 彼女を中へと促して後に続くようにして部屋に入る。冷蔵庫からケーキの箱を取り出してから、中央に置かれたテーブルの上に置いた。
「ケーキを買ってきたんだ。今日、誕生日だって言ってただろう」
 箱からケーキを取り出して、並べてあったお皿に乗せる。彼女は嬉しそうにとろけそうな程の甘いまなざしでそれを見ている。コーヒーメーカーから沸きたてのコーヒーを、彼女の分と自分の分へとそれぞれカップに注いで、思い出したようにフォークを並べた。
「太っちゃったらどうしよう。これでも、私モデルなんだよ。なんちゃって」
 彼女はくすくすと笑いながら冗談を言う。しかし、彼女の目は子供のように、しっかりと自分の分のケーキから離さない。それを見ると思わず笑ってしまった。
「誕生日、おめでとう……なんて、変だよね。でも、誕生日は無くならないよ。君が生れた日には変わりは無いんだから……」
「ありがとう……本当に嬉しい……もっと早く出会っていたら良かったね」
 彼女の頬から流れた涙が筋となって落ちていく。「うん」と答えたつもりだったが声にはならず、もう一度言葉にしようとしたが声にはならない。それでも、彼女は理解したようで、「ありがとう」と言う変わりにニコリと笑った。
 それから、しばらく沈黙が続く。静けさに響き渡るはずの時計の音は聞こえず、まるで止まっているかのように思えた。
ケーキを食べ終えた彼女が置いたフォークがカチャリと鳴って、それが最後の合図のようにも思えてぴたりと動きを止めて彼女を見つめた。
「もう行かないと……」
 彼女は立ち上がって、「判った」と頷くのを確認した。
「じゃあ、また来週……」
 それに答えるように彼女はニコリと笑って寂しそうに俯いた。
 自分だけ玄関のドアを開けて廊下へと出て、ドアに寄りかかるようにして両手で耳を抑えた。
 彼女が飛び降りる瞬間は見ないことが、二人の間で暗黙の了解となり、そのたびにこうしてドアの外に出る。耳を抑えてもあの鈍いドサッという音は聞こえるのだが、抑えずにはいられない。それどころか、ドアから振動が伝わってくるように全身で感じてしまうが、それでもこの場を離れる事だけは出来なかった。
 楽しみに待ちに望んだ水曜日だが、ほんのひと時を過ごして一週間が終わる。寂しさと虚しさが体中の水分に溶け込んで、気だるく何もかもがおっくうにさせる。そして、木曜日になるとまた一週間が始まる。来週の水曜日は間違いなくやってくる。それを楽しみに待ち望む生活が始まるのだった。

This story was written by Dink in HP『しろく』.