私はここにいるよ。お母さん。
私は病院に入院しているみたい。 意識が戻らずにベットの上。 どうしてなのか判らないけど、ずっと入院しているみたい。
そうお母さんが話していた。 お父さんへの毎日の報告はいつも同じ。 ぶっきらぼうに返事をするお父さん。 また、黙ったまま何も話さなくなる。
私はずっと部屋にいたのに。 ベットの上の人形の中。 どうしてか分らないけど、ずっと部屋にいたのに。
私が病院で死んだ。結局、意識も戻らずに…。 私の本当の体の入った棺の中に入れられてしまう。 私が大好きだった人形だったから。 でも、私は私なのに、人形の中にいるんだよ。
いつから!?…分らない。 私は…。 私は…私が入院する前から…ずっと前からここにいた…。
自分の大切な物には魂が宿る。 でも、魂が意思を持つとその魂は誰!? もともと自分の思い。大切にしたいという思い。 だったら、それも自分自身。
This story was written by Dink in HP『しろく』.