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頼まれてパンプスやサンダルの絵を沢山描いた。近頃私はスニーカーの様な平らな靴ばかり履いているので絵にしたようなオシャレ靴を見る事も無かったのだけど、靴って魅力的だ。履かれないで店頭に並んでいる姿は芸術品だ。
フランスのナントに居たときに、日本人留学生Aちゃんが、突然パリでとてつもなく高価なサンダルを買ってきた。仕事を辞め、それまでの貯えで数年の留学生活を送るため、究極の節約生活をしていたのに、、、。彼女曰く「自分でもどうしちゃったかわからないけれど、そのパーティー用のサンダルがあまりにも綺麗で、本当に輝いていて気が付いたらカードで買って紙袋を抱えて歩いていた。」と。 そして、「またナントに戻って簡素な生活をしながらサンダルを眺めると複雑な気分。」と。でも、その時の彼女の気持ちがとても理解できる気がした。 靴ってそのデザイン自身に足元から包まれて、そのイメージの世界にそのまま歩いて行けそうな、そんな要素だ。 Aちゃんの話しを大笑いしながら聞いたけれど、実は私も履けないサンダルを持っている。それがこの絵のフルーツサンダル。初めて一人でフランスに行って、冬のニースの靴屋で買ってしまった。見ているだけで服のコーディネートや、夏の黄色い太陽やキラキラ輝く海が目の前に浮かんでくるけれど、実際東京のコンクリートじゃぁ足は痛くなるし、下地の白黒のチェックの生地が汚れてくると魅力も半減。結局、毎夏、このサンダルを見ては複雑な気分で箱のふたを閉じている。 今回の靴を描く仕事は、履きたいけど履けない、買いたいけど買えない、そんな靴たちを征服したような楽しい気分になれました。 |
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