Whisper Not (Benny Golson)

Mad_Thad この曲は、初めてOverSeasの発表会に出させて頂いたときに、運良く当たった新人賞の景品のCD『マッド・サッド』の1曲でした。

それまでジャズのCDと言うと、父がワゴンセールで買ってきたものか、ジャズ講座で頂いたものしか手にしたことがなかったので、裏の曲目も中に入っている解説書も英語で本物のジャズのCDだと感じて、「もしかしたら今まで聴いたことのない音楽が入っているかも知れない」と特別に感じました。

聴くと、渋いテーマがとても印象的でした。こんな曲を弾けたら、自分も大人の気持ちがちょっとは知れるかもしれないと習いたい曲リストに入れました。

さて「ウィスパー・ノット」ですが、A1(8),A2(8),B(8),A3(8)の32小節のDmです。セカンドリフはありますが、構成はシンプルです。 この曲には曲が出来たあとから、歌詞が書かれています。作詞したのはレナード・フェザーさんです。その歌詞を珠重さんが和訳してくださいました。

「そっと言って、でもはっきり言って。優しい言葉を私の耳に。二人にもう望みがないとは囁かないで。愛が再び生まれるように祈る言葉を囁いて。あまりにも早く終わった恋の歌を取り戻すまで・・・」

私が本当の大人になって素敵な恋をしたら、もう一度この曲に挑戦して、もっと落ち着いた渋い演奏をしたいです。

投稿者:あー(2005.3.6)

師匠コメント

この曲、ミルト・ジャクソンの『Bag's Opus』や、フラナガンとレッド・ミッチェルの『You Are Me』にも収録されていますね。『Mad Thad』もきっちりしたいい演奏ですが、『Bag's Opus』はもっと良いし、『You Are Me』はもっともっと良いでしょう。

『Mad Thad』のピアノはジミー・ジョーンズですが、フラナガンよりちょっと年上の人で、歌のバックをよくやっています。右手ですが8分音符で弾かず、コードをふわふわと弾く人です。フラナガンはこの人のことをすごく誉めはります。「ジミー・ジョーンズは歌伴がうまい」ってね。私はあまり好きではありません。