Stable Mates (Benny Golson)

<曲について>

「stable mates」は同じ厩舎の馬とかいう意味とのことで同名のアルバムが講座でも取り上げられていました。(曲は入っていません)

曲はA(14小節)B(8小節)A(14小節)の36小節の変則的な曲、キーはD♭△です。Aの11-14小節はリズムが変わります。9-10小節は、付け足しみたいな感じです。当時としてはかなり斬新な曲だったんだろうと思います。

<実際に演奏して思ったこと>

曲の途中でリズムが変わる点に苦労しました。また、譜面を見ると譜割りが強烈なので、どう演奏したらいいのか困りました。それでデクスター・ゴードンの演奏を参考にしました。

レッスン(サックス)では、寺井師匠に音が小さい、強弱がない、エンディングでモジモジする、音を詰め込みすぎる、ピックアップが弱い、アドリブで2コーラス目の方が盛り下がってる、スケールアウトしすぎ、等といった注意を受けました。また、自分のやりたいフレーズを譜面に書いているのかと聴かれました。

<作曲者の紹介>

Benny Golsonの略歴をご紹介します。

1929年1月25日ペンシルバニア州フィラデルフィア生まれ。9歳でピアノを始め、14歳でサックスに転向。きっかけはアーネットコブの演奏を聞いたため。
ワシントンDCのハワード大学を卒業。 RアンドBバンドでプロ入り。
53年にビバップの作曲家タッドダメロンのバンドに参加(クリフォードブラウン等が参加)
53〜56年ライオネルハンプトン楽団に参加
54〜56年アールボスティック楽団に参加
56〜58年はディジーガレスピー楽団にてテナーと作編曲で参加
58年にはジャズメッセンジャーズでテナー、作編曲担当
59年にアートファーマー、カーティスフラーと3管編成のジャズテットを結成
60年代後半〜80年代ぐらいまではスタジオでの仕事が多くなる
近年では「ターミナル」という映画に出演、同名のアルバムもリリース。つい最近来日もしてました。

<Benny Golsonの代表作について>

代表作は沢山ありますがフラナガン大師匠も参加の「Free」、「Getting' with it」等です。 代表曲は「Stable Mates」「Out Of The Past」「I Remember Clifford」「Five Spot After Dark」「Blues March」「Whisper Not」等です。

<参考にしたアルバム>

The Apartment 一番参考にしたのは、ゴードンの「The Apartment」です。 またベニーゴルソンの「And The Philadelphians」や「Stble Mable」、アートファーマーとスーパージャズトリオの「Something Tasty」等にも収録されています。

寺井師匠もたまにライブでやられています。自分が覚えているので2004年8月、2005年2月のフラナガニアトリオでやられていました。

投稿者:ハタ坊(2005.3.6)

師匠コメント

ゴルソンは、『Blues-Ette』や『Bags Opus』を録音した1960年頃が全盛期です。今もご健在ですが、プレイはボロボロです。2月の講座の頃、東京にゴルソンがやってきました。

映画『ターミナル』で、主人公が「ゴルソンさんですか?」「はいそうです」っていうゴルソン役にゴルソンが登場します。そのキャンペーンで来日したみたいです。

ゴルソンは写真で見るとハゲていますが、昔はフカッと毛がありました。なぜそういえるのかというと、「ミニー・ザ・ムーチャ」というのに出てくるんです。そういったものにも参加した人です。 ゴードンの特徴は遅れ節です。8分音符でベタベタでスィングする人です。

『Getting’ with it』はそのうちJazz講座で取り上げます。リーモーガン、ベニーゴルソンはすごいですね。ピアノのレイ・ブライアントも良いです。デックスを聴いたら、一瞬ハタ坊かと思いました。(影の声:気のせいです)