Refrections (Thelonious Monk)

リフレクションズは、1952年12月に、ベースにギャリー・マップ、ドラムにマックス・ローチを迎えたトリオで初めて演奏されました。 52年のトリオでの演奏はバラードではなく、少しテンポを早くして弾かれていました。

他にも、57年にはソニー・ロリンズ・カルテット、54年と59年にはソロでの演奏などが残されています。

セロニカ 演奏を重ねる度に、徐々にテンポを落とし、フラナガンさんが『セロニカ』で演奏されたようなバラードの曲になりました。 モンクへのトリビュートアルバムだけあって、モンクが多用していたテーマを崩したフレーズを聴くことが出来ます。

また、この曲はフラナガンさん以外にも、カーメン・マクレエさんの『カーメン・シングス・モンク』、そして、ローランド・ハナさんとジョージ・ムラーツさんとのデュオなど数々の演奏が残されています。

投稿者:けんいち(2005.3.6)

師匠コメント

モンクのタッチは鍵盤を叩きつけるような感じですが、40年代はテディ・ウィルソンみたいな流麗なプレイをする人でした。

スィング時代は、演奏者のレヴェルが高く、次のビバップの時代がはじまったとき、そのうまい演奏者の中で、とにかく個性を出して目立つことが求められました。

このためモンクは、例えば指を曲げずにフラット・フィンガーでぐぃーんと鍵盤を押さえてから、そのまま指を左右に震わすといった個性的な技を持っていました。このことから、本当はピアノをどう弾けばどう鳴るのかを知り尽くしている人だったと思われます。変人奇行で有名ですが、あれはパフォーマンスです。

生前にフラナガンは「変人であるはずのモンクがホーキンスの前に行くと、パッと普通の人に変わった」と言っていました。

モンクの作った曲は、パウエルがそれを弾いて完成するといった印象があります。

フラナガンは『Thelonica』でモンクのタッチを真似てこの曲を演奏していますが、だんだんときれいなタッチになってしまいます。メロディ・フェィクはそんなにしていません。ベースのムラーツとのラインの掛け合いやアーサー・テイラーとのドラムのやり取りなどに注目すると良いでしょう。また、フラナガンはモンクの得意技であるホールトーンのフレーズをやっていましたね。

この曲のテンポですが、フラナガンはバラードで演奏しています。私はフラナガンより少し速めでやっています。