Dalarna (Tommy Flanagan)

<曲について>

A1(8)A2(8) B(8)A3(12)の36小節、キーはD△です。タイトルは、スウェーデンの町「ダーラナ」という土地の名前ですが、日本では「ダラーナ」と読む人が多いようです。

<この曲を習おうと思ったきっかけ>

寺井師匠 寺井師匠のアルバム『Dalarna』やフラナガン大師匠の『Sea Changes』を聴いて、品のある優雅な曲だな・・・とずっと気になっていました。 寺井師匠は、トリビュート・ライブなど年に数回しか演奏されないし、なんとなく近寄りがたい偉大な曲という印象が強いです。自分が弾くなぞ10年早いかなとも思っていました。  けど、ジャズ講座で取り上げられて、詳しい解説を聴いているうちに、「うーん、弾いてみたい!」という想いがバクハツして、講座の翌日、試行錯誤でさっそく練習を開始しました。

<寺井師匠の解説によると・・・>

フラナガン大師匠のSea Changes 講座で紹介された「Dalarna」の解説については、『トミーフラナガンの足跡を辿るVol.1』の226ページに詳細が記述されています。第9回『OVERSEAS』のあたりですね。(この本、調べものをするとき、とっても便利ですね。巻末の索引で、パラパラとできます!!ちなみにですが、ご興味のある方、普通の本屋さんには置いていませんので、直接お店に申し込んで購入してくださいね。)

さて、いろいろと書かれていますが、その中で特に印象的だったのは、この曲を介して、フラナガン大師匠と寺井師匠の師弟の交流がダイレクトに伝わってくるエピソードです。『OVERSEAS』の38年後に寺井師匠が『Dalarna』で録音を残したことで、刺激を受けたフラナガン大師匠が『Seas Changes』を録音したという展開、この曲に更なる広がりと奥深さと不思議な暖かさが生み出されたように思います。 バド・パウエルを元にするトレモロの部分にも注目です。ここで詳細を書いてしまうと、面白さが半減してしまうので、またじっくり本をご覧いただければと思います。

<演奏で心がけたこと>

 とにかく難しい曲です。左手のコードを間違えることも多々あり、特異なコード進行にアドリブがこんがらがってきたり・・・。スウェーデン、行ったことないし、どんな景色を思い浮かべて弾いたらいいかな・・・、などなどいろんな壁にぶつかりながらも、とにかく曲のイメージを膨らますように努めました。

一番参考になったのは、寺井師匠の生演奏です。もちろんCDもすばらしいのですが、生で見ないと判らないことがいっぱいあります。やわらかく温かみのある音色をじかに聴くことができましたので、具体的に上品な音色をイメージすることができました。私の演奏は、そのイメージからは程遠いものがありますが、「きれいな音」は耳に残っていますので、いつの日か、”あの音”が出せるようになりたい!と思います。

投稿者:あやめ(2005.2.28)

師匠コメント

非常にむずかしい曲です。私が演ったことで、師匠が『Sea Changes』に再録したことは誇りに思います。 いつの日か、私も、もっとうまく弾けるようになりたいです。