Blues For K (Walter Norris)

<作曲者紹介>

Mr. Walter Noris この曲の作曲者はウォルター・ノリスです。彼は1931年アーカンソー州リトルロックに生まれ、1954年頃から西海岸で活動をはじめ、1958年にはオーネット・コールマンのアルバム『Something Else』に参加しました。その後、サー・ローランド・ハナさんの後任としてサドメル楽団に参加しました。1975年にはサドメル楽団の一員として来日、1977年にドイツのベルリンに活動の拠点を移し多彩に活動されています。

2003年にはアーカンソー州の音楽殿堂入りを果たし、記念ライブをOverSeasで行いました。現在もベルリンで演奏活動、さらに執筆活動をされています。

<この曲ができあがった経緯>

一昨年、ノリスさんがOverSeasでライブをされましたが、その翌日、OverSeasでジャズ・レクチャーが行われました。そのレクチャーは、参加者のほとんどがピアノの生徒さんでしたので、サックスをやっている僕のことをノリスさんは気遣ってくださいまして、特別にサックスのレッスンをしていただきました。

そのとき、ノリスさんが「君のために練習曲を作ってあげよう」と言ってくださり、できあがった曲です。僕が手にするのは世界で初めてという光栄な曲です。

<この曲の構成>

Gmのブルースで、本当に単純な曲です。ラシドラシドレシ・・・というようなシンプルな曲ですが、これは僕の練習曲であることを念頭に置いたノリスさんの配慮の現れです。しかし、それでいて実際にうまく演奏したら味のある曲になるだろうなと思います。それを教えてくれたのが寺井―鷲見コンビなんです。

<参考にした演奏>

参考にした演奏と書いていますが、僕にはそれだけの力がないので、そこからコピーして学ぶということができませんでした。むしろ寺井―鷲見コンビの演奏は、僕にこのシンプルな曲が持つ深みと味わいを教えてくれた演奏と言うことができるでしょう。

「論より証拠」ということで、ぜひ水曜日のコンビの演奏を聴きにきてください。

投稿者:児玉勝利(2005.3.6)

師匠コメント

ウォルター・ノリスは私のセカンド・アイドルの1人です。1975年にサドメル楽団で来日しましたが、それをFMラジオで聴いて、すごい人やなぁと思いました。中域からピアノの弦がピョーンと伸びる。いつか生で見たいと思っていました。レコードは集められるだけ集めました。

そして2003年にOverSeasでライブが実現しました。会ったこともないのに、手紙のやり取りだけでこちらを信用してくれて、ベルリンからはるばる日本に来てくれました。まずホテルへ案内しようと思ったら、ノリスがピアノをまず見たいというので、さっそく店に連れてきました。それで、あの技を生で見ました。たまに私もライブでやっています。

ノリスはすごく良い人で、譜面を送ってくれます。OverSeas宛で児玉さんに渡してくださいと、この「Blues For "K"」が入っていました。さっそくコピーして、次の週のライブで演奏したんです。スケール練習みたいですが、ライブでやっているうちに構成がどんどんと変わってきて、今は少し早い目のテンポになっています。

最近「The Kat Man」という曲を送ってくれました。Jazz Menという意味と児玉さんのKを掛けています。最近のライブで3回やりましたが、毎回違う構成です。水曜日のライブは、また他の日とは違ったおもしろさがあると思いますので、ぜひ聴きに来てください。