事業運営をするに当たり、多くの場合、
同じような事業をする同業者が存在するために競争が生じると述べました。
そして、競争に勝ち残るためには
戦略を策定しなければならないことを指摘しました。

さらに、戦略に沿って業務遂行する際、複数の人間がいる場合には、
マネジメントという活動が必要になることを伝えました。

しかしマネジメントを行うとしても、
従業員がそれを受け入れなければなりません。

もっと簡単に言えば、
マネジャーの指示に従業員を従わせなければならないわけです。
マネジャーがいくら業務を遂行しようとしても、
働く人達が指示に従ってくれなければどうしようもありません。

いかに人に働いてもらうかという側面も
マネジメントという仕事は有しています。
従業員を動機付け働かせるにはどうすればよいのでしょうか。

レストランを例に取り考えてみましょう。


マネジャーがレストランの状況を従業員に説明し、
赤字を解消するための提案をしました。
従業員を辞めさせずに危機を乗り切るためには、
様々な費用を削減する必要があることを訴えました。

どのような効果を期待してマネジャーはこのような説明を行ったと思いますか。


まず、マネジャーがレストランの現状を説明したことにより、
従業員全員がレストランの経営について知ることができました。

そして、従業員の解雇の話を持ち出し、
解雇しないで済ませるためには、
少しずつ費用を削ることが大切だという提案をしました。
こうすることにより仲間同士の連帯が強まり、
さらに一人一人にコスト意識が生まれるのではないかと
マネジャーは期待したのではないでしょうか。

コスト意識や労使の一体感を高めるという効果を狙い、
マネジャーはレストランの経営状態を
従業員に開示したのではないかと推測できます。
もちろんこのような説明をしても必ずしもうまくいくとは限りません。

しかし、マネジャーの指示に従業員を従わせるだけの理由を
知らせることも必要だということはいえるでしょう。
その方法として様々なものが考えられます。
権力、参加、話し合いなどです。

従業員が経営への理解を深め、さらに仲間との信頼関係を築いた上で、
マネジャーはいかに従業員を働かせるかという問題に取り組むことになります。

その際、従業員が仕事を苦痛と考えるのか、
やり方次第ではおもしろいと考えるのかで
従業員の働かせ方は変わってきます。

また従業員のやる気を引き出すための方策も企業によって、
あるいは部署によって異なることでしょう。

こうした問題も経営に関連する専門分野のテーマになっています。



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