部品製造業を営むR工場は従業員数170名。
半数近くの79名はパート社員で、そのほとんどが近所に住む主婦である。

パート社員は製造ラインの重要な一翼を担っており、
今やR工場にとって欠かせない存在となっている。
パートの人達の表情は明るく元気にあふれており、
とてもうまくいっていることが伺える。

しかし初めからR工場が今のように順調にいっていたわけではない。
正職員をパート社員に切り替えた当初、
離職者が多く、なかなか職場に定着しなかった。
ある経営コンサルタントは
R工場がどのように解決策を見出したのか、その辺りの事情を知りたいと考え、
工場長のAさんに話を聞いた。


「初めは大変でした。
パートに重要な仕事を任せてよいのかという意見に代表される上司の無理解、
グループリーダーによるえこひいき、お局さんの存在などなど。
その都度頭を悩ませて必死に解決策を考えたものです。」

「大変でしたね。」と言う経営コンサルタントに、
「いやいや、これは会社の命運が掛かった問題でしたから。
なにしろ受注単価が一時の半分に落ち込んだわけですから、
そのままではとても採算に合わないわけですよ。
なんとしてもパートさんを戦力化して乗り切る以外なかった。」
とAさんは話した。



ケース:

しかしそうは言うものの、
採用してもすぐに辞めていくパート社員をどのように定着させ、
戦力化できたのだろうか?