A銀行は個人向け営業担当者として
フィナンシャル・プランナーを多数抱えていたため、
オンライン取引の導入に消極的であった。
しかしライバルのB銀行に時価総額の逆転を許したことで、その方針を転換。
A銀行はプロジェクトチームを発足させ、
既存のインターネット専業銀行に対抗して
個人向けインターネット取引市場に参入することを発表。
発表直後に個人相手のトップセールスマンが
給与の低下を嫌って、何人も他社に転職している。
オンライン取引の本格的導入に先立ち、
アンリミテッド・アドバンテージ(Unlimited Advantage)という新しい口座を導入。
この口座では、資産残高に応じた年間手数料(最低1500ドル)を支払えば、
オンライン取引を含めて無制限の取引が可能であり、
フィナンシャル・プランナーからのアドバイスも得られる。
これにより富裕な顧客層の獲得を目指した。
さらに、ディスカウント型オンライン取引口座を導入。
これは、インターネット専業銀行と同様のタイプの口座で、
フィナンシャル・プランナーを通さず直接オンライン取引を行うことができる。
つまりフィナンシャル・プランナーからのアドバイスはないものの、
一取引当たりの手数料を従来より低く設定した。
多くの資産を持ち高度なアドバイスを求める富裕層を自社顧客として取り込む一方で、
低コストのオンライン取引を望む顧客にも対応するという戦略をA銀行は採った。
その結果、フィナンシャル・プランナーに要求されるスキルも変化。
【 (1) 】
他方、フィナンシャル・プランナーには
顧客のニーズに応じた総合的なアドバイスを求められるようになった。
フィナンシャル・プランナーの目標は売買取引高の拡大から
顧客の資産残高の拡大へと重点が移行。
彼らはより高度なスキルを要求されるようになったのである。
設問:
【(1)】に入る文として最も適当なものはa〜d のうちどれであろうか。
a 口座処理業務の合理化のため情報機器を利用したシステム導入を計画している。
b ITを導入することで手数料の10-15%を占めていた口座処理費用の縮小を実現した。
c 単純な取引で手数料を取る業務はオンライン取引に取って代わられた。
d インターネット取引市場における競争の激化により取引手数料は低下した。
a
b
c
d
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