「北方の人」と呼ばれるノルマン人は
スカンディナヴィア半島を原住地とする北ゲルマン人である。
彼らはヴァイキングとも呼ばれ、9世紀頃から海上を経由して
各地で盛んに活動した。
一部のノルマン人は北欧と現在のカナダの間に位置する極北の島、
アイスランドにも渡った。
その後アイスランドに移住した民族はないため、
現在この国に生きる人々はヴァイキングの末裔である。

さて、全国民の遺伝子を収集し、
データベースを作成する権利をある民間企業に与えるという
国民健康データベース法をアイスランド政府は制定した。
これにより遺伝病のみならず、
様々な病気の研究が飛躍的に進むと期待されている。

業務委託を受けるこの企業は医者や患者の協力を仰ぎ、
病歴、結婚歴、頭髪の色、喫煙習慣の有無、及び遺伝子情報等を調査し、
データベース化を推進している。
アイスランド国民は自らの意思で不参加を表明しなければ、
国民健康データベース法に同意したものと見なされる。
国民が将来どのような病気にかかりやすいのかを
事前に把握することで医療費の削減を期待する国と、
膨大な遺伝子情報を基にして製薬・医療事業の展開を図りたい企業。
両者の思惑が合致し、この法律は施行された。

さて、この法律に対する国民の懸念として適当でないものは
a〜d のうちどれであろうか。


a 国民の健康管理に役立つ。

b 犯罪に手を染めやすいと判断される遺伝子の保因者は
  差別されかねない。

c ある特定の病気になる原因遺伝子の持ち主は、
  保険契約の締結を拒否される可能性がある。

d 就職試験や結婚に際して個々人の遺伝子情報が
  判断材料にされる可能性がある。


c a      b b

a c      d d