総会屋への利益供与事件など、企業の不祥事が後を絶たない。 なぜ不祥事はなくならないのだろうか。 不祥事が起こる原因
どうにかして利益を上げようという企業からの圧力が強くなると 不祥事の発生につながる。企業は利益だけを目標にしてはいけない。 組織のために良かれと思ってやったことであれば、 組織がかばってくれるだろうという組織への依存心を従業員は有している。 組織への依存心の高まりは大企業病の表れである。 組織が大きくなると経営者は現場のことまでチェックできないので 現場での不祥事が起こりやすくなる。 大企業は小さな商店に比べ、そこで働く人達の顔が外部から見えにくい。 つまり誰が何をやっているのか企業の外部から分かりにくい。 大企業の社員は小さな商店の従業員に比し 自分達が社会から隔絶されているという意識を持つ傾向が強い。 それゆえ、たとえグレーゾーンに手を染めても 外部にはばれないであろうという考えが従業員になきにしもあらず。 みんながやっているから自分もばれないという意識が従業員にある。 業界他社もやっているからと言って自社でもやる。 こうした心構えが不祥事を引き起こす。 不祥事が起きると不祥事を起こした人に代わって 危機対応担当取締役等が謝罪する。 つまり不祥事を起こした張本人とは別の人が出てきて謝罪をする。 組織が個人の行為を隠してしまう。 公判にならないと不祥事を起こした本人が出てこない。 マスコミ以外の企業で不祥事が起きた場合、マスコミは、 権力、影響力のあるトップをつるしあげることに熱を上げる。 トップに謝罪させることでマスコミは溜飲を下げている。 不祥事報道からマスコミのいびつな面を見て取れる。 企業は利益のことだけ考えていればよいわけではない。 例えば株主が会社に求めるものは配当である。 企業に利益が出ても配当なしなら株主の利益にはならない。 (保有株式を売却した人は、売却分に関して言えば その時点で既に株主ではない。) また、会社は株主のためだけに存在するわけではない。 利害関係者は多元的である。 会社は株主のものだという考えは現実を単純化し過ぎである。 企業の規模が大きくなればなるほど 会社は株主のためのものだというのでは通用しない。 |