社内に足を踏み入れた時の印象が
健全な会社と病んだ会社では明らかに違う。

健全な会社では熱気が目に見える。
外来者に会えば、にこやかに会釈をする。
壁にスローガンが掲げられていることも多い。
新記録や目標達成などを祝っている。
掲示板には最新の情報があふれている。

一方、病んだ会社では、掲示板は保健所からの注意など
公的機関の指導事項で埋め尽くされている。
社員は訪問者を歓迎しない。在庫管理はいい加減。
誰一人仕事を楽しんでいない。皆不機嫌な表情をしている。


就職活動をする人はどこかの企業や組織の従業者になろうと考えている。
従業員がやる気を出して仕事に取り組めるような環境であるか否かは
これから新しい組織に所属して働こうとする人にとって関心の高い事項だ。

しかしながら就職活動予定者が職場環境を知る機会は驚くほど少ない。


工場見学は職場の雰囲気について、モチベーションについて、
そして働くということについて考える絶好の機会だ。


馴染みのない分野の話を聞くことは楽しい。
ただしある程度理解できた場合に限る。
工場見学で説明を受けてもちんぷんかんぷんではおもしろいはずがない。

工場見学に出かける前に多少事前学習をしておきたい。
あなたは当該分野の話を初めて聞くということを
念頭に置かなければならない。

当該企業や当該製品に関する根本的な理解不足が原因で
企業側の説明に対して見学者が不満を抱くのであれば、
工場見学を実施する企業にとっても見学者にとっても互いに不幸である。

当該企業や当該製品について工場見学の事前に知ることにより
もっと知りたいことが出てくるかもしれない。
会社説明会や面接では質問するのをはばかられるようなことでも
工場見学の場でなら聞きやすい。

工場の現場の生の声から何かを感じ取って欲しい。


人事担当者は数多くの応募書類に目を通し、何人もの面接に応じる。
同じようなことが書いてある履歴書を何通も読んだり、
誰に聞いても判で押したような答えしか返ってこない
面接を何度も担当したりすれば、次第に飽きてくる。

人事担当者の目に留まるには他の受験者とは違う
きらりと光るものが必要だ。

あなたが工場の現場で感じた何かを相手にうまく伝えることができれば、
きっと強い印象を与えることだろう。

幸運を祈りたい。