
完全無欠の用語集。一部山名、渓谷名、人名も含む。公麻呂の以外な過去も分かる。
●アイゼン=雪上や氷の上を登る時に、靴底につける滑り止めの用具。スパイク(爪)の数によって、登る山のグレードが決まる。一番少ない4本爪の物は軽アイゼンと呼ばれ、夏の雪渓歩きや雪上ハイキングに使用される。
●アウター=上着。または外側に着用する物(二枚重ね時のグローブやソックス等)。逆に内側に着用する物をインナーと言う。
●アプローチ=自宅から登山口に至るまでの行程。単にその間の交通手段を指す場合もある。
●天蓋(雨蓋)=トップロード式ザックの蓋。またはその蓋にあるポケット。
●アルピニズム=高山至上主義。より高い山を登ることを至上とする考え。そうした登山者をアルピニストと言う。春野はこの考えは登山の普及を阻害するものとして、真っ向から否定している。
●アンダー・シャツ=肌着。または吸汗即乾性素材のTシャツ。
●鞍部=コルやタワ(乢)とも言う。同一尾根上にある隣り合った二つのピークの凹部。そこを山道が越えていたら「峠」と言う。
●一本立てる=小休止のこと。
●ウェディング・シューズ=フェルト底の沢のぼりに使用する靴。この靴を履く際は専用の防水ソックスを履く。決してウェディングドレスを着た時に履く靴ではない。
●ウォルター・ウェストン(人名)=イギリスの登山家で「日本アルプス」の命名者。明治21(1888)年宣教師として来日。日本アルプスの各山を踏破し、著書「日本アルプスの登山と探検」により、初めて日本の高山群を世界に紹介した。宗教以外で登る登山の楽しさを日本に伝え、「近代日本登山の父」と呼ばれている。
●右岸(うがん)・左岸(さがん)=谷や沢、川から下流方向を見た時、向かって右側が右岸、左側が左岸。よって、遡行時には左右が逆になる。
●牛の背=幅広の尾根のこと。徳島県の三嶺山系の天狗塚西の三角点峰をこの名で記す登山書があるが、これは誤りで、正確には天狗塚からその峰に至る尾根のことを指す。
●畝(うね)=尾根のこと。
●馬の背=痩せ尾根のこと。更に切り立った岩尾根は「ナイフ・リッジ(リッジは尾根の意)」と呼ぶ。
●エスケープ=元々は「避難・回避」の意。何らかの事情で本来予定していたコースを途中で中断した時に、最短で下山出来るコースに変更すること。そのコース(ルート)のことをエスケープ・ルートと言う。
●MH2(イニシャル・ペンネーム)=地形図に山名表記のある高知県下の山の90%以上を登頂し、登頂記念板を立てている、県下一のピーク・ハンター。以前は本名を記念板に記名していたが、電話で他人から登頂記念板の設置を非難されてから、イニシャルを使用するようになった。四国の他県の山でも彼の記念板を見かけることがある。
●オーバー・ハング=庇状に覆い被さっている岩壁。またはその様を言う。
●カール=氷河の浸食で半球状に削り取られた地形。
●ガス=霧の俗称。霧がかかることを「ガスる」と言う。
●肩=山頂に近い所に張り出した平坦な尾根。
●釜=渓谷等にある水の浸食作用で円形にえぐられた淵。滝壷を指す場合が多い。
●茅戸=茅が茂ったなだらかな尾根。
●空池(からいけ)=長雨時以外は水のない池。高知県下では雑誌西山、横倉山、長坂山等にある。
●ガレ場=岩や石がごろごろしている箇所。その様を「ガレている」と言う。砂礫地の場合はザレ場と言う。
●観天望気=雲や風等の自然の状況を判断して天候を予測すること。
●灌木(かんぼく)=低木のこと。
●ギア=用具の意。
●キック・ステップ=雪の斜面をつま先を蹴り込みながら、登る方法。
●切り通し=尾根と交差する形で掘り下げて、通れるようにした箇所。
●キレット=岩尾根が鋸歯状に切れ込んで、低くなった所。「切戸」と書く場合もある。
●クレバス=雪渓等の深い裂け目。
●黒部峡谷(渓谷名)=富山県にある日本最大の渓谷。上流を「上ノ廊下」、下流を「下ノ廊下」と言い、後者は特別な装備なしで、途中山小屋泊で遡行出来る。終始50mを超える断崖を歩く道は迫力満点だが、これまで200人以上が転落して命を落としている。春野も足を滑らせ、危うく転落しそうになった。それでも人気が高く、毎日、学生や中高年登山者の姿が見かけられる。山小屋の側には温泉が沸き、小屋で販売している地酒も絶品。後半部は道幅も広く安心。終点からはトロッコ列車に乗り、黒部湖の景色を楽しむことが出来る。尚、「土佐のマイナー山」で紹介されている近畿最大の秘境「大杉谷」は「西の黒部」と呼ばれていて、こちらは初心者でも探勝出来る。
●ケルン=石を積み上げて道標の代わりとしてある物。
●GORE−TEX(ゴア・テックス)=ポリテトラフロロエチレン・フィルムを延伸加工したフィルムと、ポリウレタンポリマーを複合した極薄フィルムで、防水透湿素材の代名詞的存在。一層から三層構造のものまである。
●コース=登山道のこと。道のあるなしにかかわらず、その進路のことを「ルート」と言う。
●コース・サイン=進路を示す目印。赤テープやケルン、鉈目、ペンキやスプレー書きされた○×や矢印等。
●ゴーロ=岩や石がごろごろしている沢。
●コッフェル=登山用鍋。クッカーとも言う。
●コブ=尾根上の小ピーク。
●ゴルジュ=沢の両岸の絶壁が狭まった所。「廊下」とも言う。
●ザイル=登攀用ロープ
●山行(さんこう)=登山をしに行くこと。または登山そのもの。トレッキング。
●山座同定(さんざどうてい)=目視出来る周囲の山々の山名を確定すること。
●三点支持=岩場等を登る際、両手両足の接地点を四つの点とした時、一点のみを動かして登っていく方法。
●シーム・シーリング=縫い目の目止め加工。ゴア・テックス等の防水素材であっても、縫い目から水が浸透するので、シーム・シーリング・テープを蒸着させて、防水性能をアップさせている。尚、レイングローブやスパッツ等には構造上、このテープ加工が施されてない場合が多い。
●シャリばて=空腹でばてること。シャリ(舎利)は米飯の意。
●シャワー・クライム=滝の飛沫を浴びながら登ること。
●ジャンクション・ピーク=複数の方向から集まってくる尾根の合流地点にあるピーク。
●シュラフ=寝袋。
●シュリンゲ=岩登り等で、支柱となるものに巻きつける、輪状にしたロープ。普通のロープのロープ・シュリンゲと平たいテープ状のテープ・シュリンゲがある。スリングとも言う。
●小休止=10分以下位の短い休憩。昼食等30分以上位の長い休憩は「大休止」と言う。
●背負子(しょいこ)=荷物を背負うために、フレームで作られている背負い具。
●森林限界=高山の森林成育の限界。標高が高くなると風や気温等により、高木は育たず、笹原になることが多い。
●スーパー低山=標高数百メートル以下の山のこと。超低山。春野は標高200メートル未満の山をウルトラ・スーパー・低山(U.S.L.)と名付けている。文章では「超々低山」と記すこともある。
●図根点(ずこんてん)=平板測量を行う際の位置の基準点。三角点と酷似した標石の場合が多いが、希に平面の円形金属標の場合もある。森林管理局(旧山林局)や市町村が埋設。森林管理局の地図では、自局が設置した図根点は三角点マークを逆さにしたマークと略称番号で表わしている。
●スタッフ・バック=ザック内の小物や衣類を収納するのに便利な、巾着型のナイロン製の袋。
●スラブ=手足をかける所がない、表面が平らな一枚岩。
●雪渓=谷間等にある万年雪。
●双耳峰(そうじほう)=動物の耳のように、平坦な同一尾根上にある二つの峰。
●遡行(そこう)=沢を遡ること。
●ダイヤモンド・ダスト=冬の寒い朝に、空気中の水分が氷結し、太陽光に反射してキラキラ光る様。
●探勝=名勝探訪の意。自然の美しい地を訪ねて歩くこと。そのために設けられた道を探勝路と言う。
●池塘(ちとう)=湿原等に点在する小さな池。
●出合=沢の合流地点。水量が同じ沢同士の場合は「二俣」と言う。
●デポ=車やザックを一時的に置いて目的地に行くこと。
●天側点=国土地理院が地図上の地点と、天文測量に於ける経緯度のズレを調べる目的で主要一等三角点峰に埋設。形容はコンクリート製の八角形の石柱や平面円形金属標。高知県内では窪川の一等三角点峰、五在所ノ峯に建つ。
●徒渉=川や沢を歩いて渡ること。
●トラバース=直上が難しい場合、山腹や谷の斜面を水平に横に進むこと。頂上を巻くようにして山を越すルートを「トラバース・ルート」或いは「巻き道」と言う。
●ドリーネ=カルスト地形で、摺り鉢状になっている所。池になっている場合もある。
●トレール=元々は山道の意。藪や雪上、地面に残った人の歩いた跡。
●トレッキング=山歩き。元々はヒマラヤ等の高山の麓を長期徒歩旅行すること。そういう人をトレッカーと言う。
●鉈目=鉈等の刃物で木につけた目印。
●滑(ナメ)=一枚岩の上を水が滑らかに流れている所。
●ナロ=平らになっている地形。また、その様。
●日本山嶽志(にほんさんがくし)[書籍名]=我が国初の山岳事典。詳細な地図がなかった明治39年、高頭式編著により出版。全国の主な山々を山脈・山系別に分けて網羅し、 各山の概要、標高、麓からの距離を記載。
●ヌタ場=猪等の動物が体を冷やしたり、ノミを取るために泥浴びする小さな湿地。
●野口健(人名)=日本を代表する若手アルピニスト。’99年、七大陸最高峰登頂世界最年少記録を樹立(現在は他の日本人が記録を更新している)。’00年からはエベレストやチョモランマの清掃登山を開始し、現在は富士山の清掃を行っている。以前ネスカフェのCMに出演したが、本人はコーヒーをあまり飲まない「違いの分からない」人。よく俳優の石原良純と間違われるが、本人は混血のハーフ。10代の頃は不良だった。
●野口五郎岳(2,924m)[山名]=立山連峰南部に位置する花崗岩からなる峰。五郎は「ゴーロ」からきている。歌手の野口五郎の名付け親が本人に、「黒部五郎岳」の黒部五郎と「野口五郎岳」の野口五郎と、どちらがいいかと尋ねると、後者を選んだので、その芸名となった。
●パーティ=登山時のグループ。間違ってもタキシードやドレスを着て行ってはいけない。
●幕営(ばくえい)=テントを張ること。幕営地のことを幕場(まくば)とも言う。
●パッキング=ザックへ物を詰めること。
●バリエーション・ルート=一般的なルート(コース)ではないルート。
●春野公麻呂(人名)=春野木塚城(春野町の温泉施設「はるのの湯」の敷地に建っていた中世の山城)城主の後裔豪族の末裔。全国で唯一、マイナー山登山による地域活性とメジャー山の間接的自然保護を推進している郷土登山家。文筆家、自作朗読家、役者、演出家、童謡振付師等の顔も持つが、初めて名前が公の目に触れたのは、’86年、月刊全国誌「MY詩集」に同人として参加した時。その他若い頃には、吉本関係の劇団のオーディションを受けたり、岐阜の山奥で「神霊力開発修業」を行じたり、和太鼓集団で活動したりと、その経歴は多岐に及ぶ。朗読の全国トーナメント大会「詩のボクシング」の高知大会の常連出場者でもある。
●ピーク・ハント=登頂のみを目的とした登山形態。その登山者をピーク・ハンターと言う。
●ヒュッテ=山小屋のこと。
●伏流=沢の流れが川底に隠れて流れている様。
●ブッシュ=藪のこと。ひどい藪は「猛ブッシュ」と言う。
●踏み跡=登山道ほどはっきりしてないが、人の通った痕跡が分かるという程度の道。踏み分け道。
●ブロッケン現象(ブロッケンの巨人)=高所で、自分の前方に霧や雲がある時、太陽光を背に受けると、前方に光の輪が出来、その中に自分の影が映る現象。昔の人はこの現象を神仏の示現と錯覚した。「ブロッケン」は山名。
●へつり=足場の狭い岩壁の迫った水際や山道を、へばりつくように横に進むこと。動詞形は「へつる」。
●ホールド=岩登りをする際の、手がかり(掴み場所や手の置き場)。足がかりは「スタンス」と言う。
●歩荷(ぼっか)=重い荷物を背負って山小屋等へ運び上げること。また、その人。
●ホワイト・アウト=濃霧や吹雪で視界が真っ白くなり、何も見えなくなること。ダム爆破の映画のことではない。
●マイナー山(さん)=一般的に知られていない山のこと。無名峰。広くは知られていなくても、地元では有名な山の場合もマイナー山として、分類する。
●巻く=難所や滝、山頂等を避けて迂回して登ること。
●マッターホルン(山名)=スイス、イタリア国境に聳えるアルプス山脈の標高4478mの尖岩峰。現地では「角の山」と呼ばれるほど、山頂部は尖っている。日本での一番の尖峰は北アルプスの「槍ヶ岳」。似たような鋭峰に○○のマッターホルンとか、××の槍ヶ岳という称号がつけられる。四国では「阿波のマッターホルン」黒笠山(1703m)が有名。'01年には春野が「土佐のマッターホルン」大登岐山、別名天狗岳(1477m)を全国誌に紹介した。
●藪漕ぎ=藪をかき分けて進むこと。
●ラインホルト・メスナー(人名)=’70年〜’84年迄の期間に、地球上にある全ての八千m峰(14座)を制覇。'80年にはエベレスト無酸素単独登頂、'98年にはグリーンランド単独横断。いずれも世界初の快挙。
●ラッセル=深い雪をかき分けて進むこと。
●稜線=一番高い山と山を結んだ尾根。主尾根とも言う。支尾根や尾根の総称を「山稜」と言う。
●リング・ワンデルング=輪形彷徨。進路を見失い、同じ場所を周回すること。かなりのパニックになる。
●林道=主に林業用に作られた車道。専用国有林道(国有林区域で一般車両の通行が禁止されている区間の林道)は未舗装の悪路である場合が多い。林道より道幅が狭かったり、悪路の場合は民有林区域内では「作業車道」と呼ばれ、国有林内の場合は「軽車道」と呼ばれる。作業車道の中には、特殊な小さな作業車でないと通行出来ない場合がある。国有林道の過半数はゲートにより、一般車の通行は出来ないが、事前に管轄の森林管理署に入林申請し、鍵番号を教えて貰って、自分でゲートを開けることが出来る場合もある。しかし、鍵番号は変更されることがあるので、その都度許可を取らなければならない。
●ルート・ファインディング=進路、ルートを選定すること。またはその技術。
●レイヤード=合理的重ね着。気温や運動量の変化に応じて、服を重ね着したり脱いだりして、体温調節を行うこと。レイヤードを行うことを「レイヤリング」と言い、肌着若しくはその上に着る服を第一(ファースト)レイヤー、中間着を第二(セカンドORミドル)レイヤー、上着を第三(サード)レイヤーとして分類する。
●ワカン=深い雪の上を歩くための輪状の歩行具。「輪かんじき」の略。
●ワンダー・フォーゲル(ワンゲル)=史跡・旧跡等を訪ね、自然を観察し、各地の風俗・習慣を学ぶ、20世紀初頭にドイツで起こった青年運動。日本の大学や企業のワンゲル部にはこの精神がない。
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付録 高知県の山の標高ベスト10
[メジャー山] ※瓶ヶ森の山頂部は愛媛県側
1位:三嶺 (1893m) 6位:西熊山 (1816m)
2 :西黒森(1861m) 7 :手箱山 (1806m)
3 :笹ヶ峰(1860m) 8 :地蔵ノ頭(1800m)→天狗峠(イザリ峠)南のピーク
4 :筒上山(1859m) 9 :白髪山 (1770m)
5 :乳山 (1855m) 10 :寒風山 (1763m)
↓
04年、高知県側の回遊ルートを発見
[マイナー山] ※椿山(1585m)はメジャー山として分類。
1位:中東山 (1685m) 6位:源氏ヶ森 (1529m)
2 :鷹ノ巣山(1596m) 7 :下クレ石山(1486m)
3 :口西山 (1572m) 8 :大登岐山 (1477m)→土佐のマッターホルン
4 :上瀬戸山(1538m) 9 :古敷谷山 (1469m)
5 :大アレ (1537m) 10 :井地山 (1465m)
↓
上瀬戸山の北の図根点が埋設されている山
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