『西遊記』が実在した玄奘をモデルとし、取経の旅になぞられたものだということはすでにお話ししたとおりです。
ですが、『西遊記』は必ずしも玄奘が旅した道順に沿っているわけではありません。『西遊記』に書かれている国や場所が、実在しているどの地域を示しているのかわからないところが多いのですが、三蔵法師一行がどんな場所を訪れたのか、順を追ってまとめてみようと思います。
下記の地図は実際の玄奘が歩いたルートです。参考まで。
玄奘が旅した主な道筋
真上から見たところ。仏教の世界観では球形ではなく円すいの上に大陸がある。須弥山を中心とした回廊状の山脈があり、東西南北に大陸が配置されている。
ちなみに実際の地球の直径はおおよそ1万2000km。エベレストは8848m。
※西牛貨州は西牛賀州と書く文献もみられます。(情報提供 冬眠様→HP)
■東勝神州の近海に浮かぶ傲来国花果山
○水簾洞洞天(美猴王と名乗る)
■東南贍部州
■西牛貨州 霊台方寸山 斜月三星洞
■東勝神州 花果山
○坎源山水臓洞(混世魔王をうち破る)
■東海龍宮
■幽冥界 森羅殿
閻魔大王に会い、生死簿を墨で塗る
※ちなみに地獄は南贍部州の地下にあるという
■天界 金闕雲宮霊霄殿
■五行山 釈迦如来に封じられる
■南贍部州 唐 長安(現在の陝西省西安)
■鞏州<きょうしゅう>
■河州衛「福原寺
国境の町とあるので、玉門関のあたりであると思われる。(現在の甘粛省にある)
○双叉嶺<そうされい>
三蔵が迷い込んだ山。寅将軍、熊山君、特処士に襲われた。
○両界山(別名五行山。悟空が下敷きになっていた山)
この手前で出会った劉伯欽によると、両界山の東側が唐の地で、西側が韃靼<だつたん>(モンゴルの民族タタール)の地ということだ。
※実際の玉門関から伊吾までは砂漠地帯である。
○蛇盤山鷹愁澗<だばさんおうしゅうかん>
■西番の<ハミ>国「里社祠」
馬の鞍をもらう
現在の中国領土新彊ウイグル自治区のハミ。上記の地図でいうと伊吾のこと
ここから2ヶ月ほど歩く。早春の候に。
■「観音禅院」
■烏斯蔵<うしぞう>国の高老荘
八戒がいるところ
チベットのことだが、玄奘はここを通っていない。
悟空は八戒を追って福陵山雲桟洞へ。
ここから1ヶ月ほど歩いて国境を越える。
○浮屠山<ふとさん>
烏巣禅師<うそうぜんじ>より「般若心経」を授かる。
さらに歩いて季節は夏に。
○黄風嶺<こうふうれい>
三蔵がさらわれる
さらに歩いて秋が終わろうかという頃。
○流沙河<りゅうさが>
■西午貨州 東印度の未亡人宅
■万寿山「五荘観」
悟空、人参果を盗み食う
めちゃめちゃにした木を戻して出発。
■白虎嶺
■碗子山波月洞