ティム・バートン監督と、ジョニー・デップのおとぎ話はここから始まった――。
　町のはずれにある古城に取り残されたエドワード。彼はもともとは科学者が作り上げたロボットだったが、人造人間に作り替えられ、ハサミの手を人間と同じような手に付け替える前に科学者が死んでしまい、一人で籠もっていた。
　あるとき、化粧品の訪問販売に明け暮れるペグが古城にやってきてエドワードを見つける。彼女は驚きながらも家に連れ帰った。近隣住民の女性たちも彼のことが気に入り、ちやほやするが、ペグの娘キムはとまどっていた……。

　町の景観が箱庭のようで、色遣いがカラフル。登場人物たちもカラフルな服に身を包んで、コミカルなストーリーにぴったり。自分自身の手で顔が傷だらけのエドワードに、メイクでその傷を隠してあげようと必死になっているペグもおかしい。
　ペグの純粋な優しさでエドワードは周りに馴染んでいく。ハサミという凶器を持っていながら、あまりしゃべらないエドワードがどこかかわいらしく、女性をたちまちにして魅了してしまったのもうなずける。

　しかし、エドワードが事件に巻き込まれると一転、皆はエドワードを化け物扱いする。
　やるせない怒りの感情と、背負わされた不幸せな運命と。
　フランケンシュタインのような、悲恋のお話し。

恋する度　
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