マイノリティ リポート   2002年・アメリカ
出演: トム・クルーズ/コリン・ファレル/サマンサ・モートン
監督: スティーヴン・スピルバーグ
原作: フィリップ・K・ディック
 
 

 犯罪を未然に防ぐには“監視”が必要である。街の中にカメラを設置するというのは抑制にはなるが、犯行を止めることは難しい。究極の犯罪防止、それは事件を超能力で予知すること。
 2054年のアメリカ。犯罪予防局は予知能力を持った3人の人間を厳重に拘束し管理している。麻薬中毒者の子供の中にはまれに予知能力を持った子がいるのだ。彼らに自由はない。
 彼らが予知したことを映像で映し出す装置を扱い、事件が起こる場所を推理し、犯罪を実行しようとしている者を捕まえるという重要なポジションを担うのがトム・クルーズ演じるジョン・アンダートンだ。

 彼は3人の中でも最も能力の高いアガサがよく映像を送ってくる事件が気になっていた。デジャブのように同一事件を繰り返し予知することもあるので調べてみると、確かにその事件の犯人は捕まっていた。
 そんなとき、彼は自分が事件を起こすことをこの予知システムで知り、逃亡生活が始まる――。

 予知によって罪を犯す前に捕まえようという設定はよくあることなのだが、この物語はひとひねりある。ジョン・アンダートンが知った解決済みの事件には、システムの隙をつく犯罪が隠されていた。
 それを探り始めたばっかりに、彼もまたそのシステムに利用されて追われるハメとなる。
 彼は自分が犯す事件が信じられず、マイノリティ・リポート(少数派の報告)であることを願った。ごくたまに3人が一致しない予知が含まれているのだ。ということは今までに冤罪もありうるということだ。

 はたして、予知を見たばっかりに犯罪に走ってしまうのか、罪を犯してしまう未来があるために予知となって現れたのか――。
 近未来アクションとしてばかりでなく、推理物として通用する映画だろう。原作があるだけに骨組みがしっかりとしている。
 それにしたって、あのハイテクで固められた街で警察から逃げるジョン・アンダートンはスパイダーマン並にタフだねぇ〜。逃げられること自体が奇蹟だ。

推理度 
スピルバーグ度 


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