今から二百数十年前のこと。追いつめられた残忍な殺人者は自分の持つ刀で首を落とされ、その地に埋められた。そこを通るものは容赦なく襲いかかって首を切るという――という伝説は、アメリカに本当にあるらしい。
　この物語はスリーピー・ホロウという辺境の村で、村人３人の首なし死体が発見されるという事件が起こり、ニューヨークの捜査官、イカボッドが事件解決に乗り出すという話だ。

　1799年のニューヨーク。イカボッドは今の捜査法には疑問を感じており、反発的だった。そこで、この事件を科学的に捜査しろという命令が下されて村へ出向く。
　ヴァン・タッセルの屋敷で世話になることになり、娘のカトリーナと親しくなった。彼女はまじないや魔術をあやつる。非科学を信じないイカボッドだが、ゾンビのような首なし死体に襲われるなど、目の前で現実を見せつけられ、何がなんだからわからなくなっていく。
　しかし、殺された人には共通事項があった。資産家の遺産相続に絡んでいるのではないか。やがて、カトリーナまで疑うことになり……。

　甦る首なし騎士という非現実的なモチーフがありながらも、事件解決は論理的で見応えがある。ホラーとミステリが見事に融合した、そんなかんじ。
　それに、イカボッド（ジョニー・デップ）は捜査官ながら学者かぶれのような賢さと、まじめさを持ち合わせているのだが、どこかユーモラスで滑稽なところがあり、とても魅力的な人物像になっている。
　欲を言えば、カトリーナがもう少し大人の女性だったらと思う。信じる、信じない、そんなレベルを超えて、恋というところまで発展させるにはクリスティーナ・リッチでは少々幼すぎた。魔女めいたキャラクターはぴったりだったけど。

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