ミステリファンなら、見立て殺人という言葉をご存じかもしれない。聖書や童歌になぞられて殺人事件が起こっていくというもの。
　この物語も犯人からの意味深なメッセージや聖書の言葉、専門家しか知らないような古代の言葉を話すなど、謎に満ちた殺人事件が起こる。

　殺人課の刑事ホッブスは殺人犯を捕まえ、その男は処刑された。それでも事件は終わらなかった。誤認逮捕というわけではなかったのに似た手口の殺人が起こったのだ。
　やがてホッブスはひとりの刑事に行き当たる。ロバート刑事はは理不尽な証拠を突きつけられ、自殺に追い込まれていた。ここに秘密があると彼の娘から事情を聞いているうち、その悪魔の正体が見えてきた……。

　初めは知能的な猟奇殺人犯との戦いを繰り広げる刑事物といったかんじだが、悪魔の正体が分かってきたところでだんだんホラーになってくる。
　相手はまさに古代から生き延びてきた悪霊。生きた人間に取り憑いて悪行を繰り返している。ホッブスは悪霊を追いつめるための秘策を思いつくが、果たして勝者は？
　モンスター系ホラーが苦手な人にもお勧めしたい。

取り憑き度　
刑事もの度