目が覚めると、奇妙な立方体の中に閉じこめられていた男女６人。６つの面には隣の立方体への連結通路がある。いけども、いけども、立方体。出口はいったいどこにあるのか、誰がこんなことをしたのか……

　全編立方体の部屋の中という変わった映画。登場人物も限られている。なぜ飽きもせずに見ていられるかといったら、緊張せざるを得ない状況に追い込まれているからだ。
　部屋には死のトラップが仕掛けられている。それを逃れることはできない。罠が仕掛けられていない部屋を選んで進まなくてはならないのだ。
　６人の中には有名な脱獄犯が混じっていた。彼は何度も牢獄から脱出している。履いていたスニーカーを靴ひもでつなげて部屋に放り込む。なにも作動しなかったら通れるというわけだ。
　しかし、そんなに簡単にはいかなかった。無生物にはまったく反応しない罠も存在する。
　そして、ある種の法則に気づいたのは数学を専攻している大学生のレブンだった……。

　罠にかかって死ぬ者。ひとりひとりに役割を当てられたような錯覚さえ起こす人選。罠のない部屋を見破るための方法。出口はいったいどこにあるのか。互いに疑心暗鬼になる閉じこめられた男女。このけったいな建築物はなんのためにつくられたのか……。
　閉塞された空間にも謎とドラマが満ちていて、ジェットコースタームービーとまではいかないが、ノンストップで楽しめる。

理不尽度　
謎解き度