1912年、氷山に衝突して沈没したタイタニック号。処女航海にして悲劇を生んだ史実である。近年海底からまっぷたつに折れた船が発見されたことにより、監督のジェームズ・キャメロンは構想を得たという。
　架空のラブストーリーが実在したタイタニック号で繰り広げられる。わたしはラブストーリーよりも史実物として面白く見たが、恋人たちが見る映画としては大定番。でも、３時間はちょっと長いかな……。

　ラペットは海底を探索し、沈没したタイタニック号を発見した。その中にあった金庫にはダイヤのネックレスを身につけた女性の絵が入っていた。
　それをテレビで見ていたローズはラペットに連絡を取り、探索船に乗せてもらう。ローズは沈没したタイタニック号に乗船しており、その絵は沈没する前に自分をモデルとして描かれたものだった。ローズは当時のことを回想する。

　ローズは大富豪の令嬢で、身分に相応した婚約者がいたが、金持ちの振る舞いには共感できずにいた。一方ではたまたま手に入れた３等船客の乗船券で乗り込んだジャックは画家であり、放浪生活をしていた。そんなふたりが出会って恋に落ちる。
　しかし、この豪華客船は安全性は確かではなく、氷山にぶつかっただけで沈んでしまう。2200人あまりの乗客が逃げられるだけのボートも積んでいなかった……。

　タイタニックの内装は豪華だし、沈没するときの様子は緻密に計算されていて迫力がある。それは船が沈んでいく様子だけにとどまらず、人間のエゴイズムも露骨だ。
　そんな状況で１等船客ローズと３等船客ジャックはどんな選択をとるのか。ラブストーリーとしては美しくない結果のようにも思える。いったん離ればなれになったとき、生死がわからず生き別れたとなったほうがよかったような……。

　さて、ローズが婚約者からもらったダイヤはいったいどこへ消えたのか……。監督の遊び心にふいをつかれます。

史実劇度　
ラブストーリー度