17歳のカルテ   1999年・アメリカ
出演: ウィノナ・ライダー/アンジェリーナ・ジョリー/ウーピー・ゴールドバーグ
監督: ジェームズ・マンゴールド
原作: スザンナ・ケイセン「思春期病棟の少女たち」
 
 

 ウィノナ・ライダーは原作本を読んで、ぜひ映画化したいと制作までかってでた。ずいぶんと共感する部分があったようである。
 この映画を取り終わったあとだったか、彼女がデパートで万引きしている様子が監視カメラに写っており、それがワイドショーなどで放送されていた。おどおどとした様子で、彼女自身の精神状態も気にかかる。
 この物語は主人公のスザンナが自殺未遂をして、「手の骨がない」などとおかしなことを言って、精神病棟に入れられるところから話は始まる。

 病棟には奇声を上げたり、急に感情的になったりする患者がいたり、決められた時間に薬を飲まされたりと、自分の居場所ではないような気がして仕方なかったスザンナ。でも中には、虚言癖があったり、拒食症の女の子がいたり、患者は様々だった。
 リーダー的存在のリサは脱走を繰り返している。仲間を連れてカルテを盗み出し、自分の病状を読んだりする。ある日、スザンナはリサと一緒に逃げ出し、退院したデイジーのところで泊めてもらうが……。

 リサを演じるアンジェリーナ・ジョリーは豪快な演技だ。強気だけど、どこか壊れているような行動。対してスザンナのウィノナ・ライダーは繊細そのもの。見ているだけで痛々しい。けれどもふとスザンナが自分自身であるかのような錯覚さえ起こる。
 数年が経って退院するとき、スザンナは自分を振り返る。果たして自分は異常であったのか、それとも世界が異常であったのか。スザンナはボーダーライン人格と診断されていたが、実際、正常と異常の狭間にいる人間は少なくないんじゃないだろうか。

「悩」度 
立ち直り度 


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