恋におちたシェイクスピア   1998年・アメリカ
出演: ジョゼフ・ファインズ/グウィネス・パルトロウ/ジェフリー・ラッシュ
監督: ジョン・マッデン
 
 

 映画に舞台に、シェイクスピアの戯曲は現代でも上演され続け、世界的な有名人であることはご存じの通り。胸に刻むセリフを書く彼がどんな人生を送ったのか、それを空想したのがこの映画だ。

 1593年ロンドン。ウィリアム・シェイクスピア(ウィル)は『ロミオと海賊娘エセル』という喜劇を書いていた。しかし、ウィルは創作に行き詰まっていた。あやしげな精神科医にかかったりするが、ロザラインに恋をすることでその感覚を取り戻していった。ところがロザラインが他の男と寝ているのを見て失望する。
 ウィルは詩人のマーローと話しているうちに「家同士の抗争に巻き込まれるロミオ」の物語の構想を思いつく。芝居のオーディションにやってきたトマス・ケントに惚れ込み、ロミオの役を与えるが、ウィルは一目惚れしてしまった富豪令嬢のヴァイオラが変装していることに気づかなかった――。

 この物語はシェイクスピアが身分の高い令嬢と恋に落ちる話しで、悲恋の『ロミオとジュリエット』とシェイクスピアの恋愛をシンクロさせている。
 だが、シェイクスピアに関する文献は少なく、この作品はシェイクスピアの名を借りたフィクションといってもいいようだ。
 シェイクスピアはロミオとジュリエットよりも劇的でロマンチックな恋をしていた、というのもなんだか納得してしまう。200年も前のヨーロッパが舞台というのもムードがあって、自分には体験できない「映画みたいな恋」を存分に見せてくれる。
『ロミオとジュリエット』と同じで、ハッピーエンドではなくても、なぜか見終わったあとは満足感でいっぱいだった。

 やはりこの作品を見る前には『ロミオとジュリエット』を知っておいたほうがいいかもしれない。劇中劇もあるし、おもしろいつながりもあるから。
 男たちの気をひくロザラインは『ロミオと〜』の冒頭、ロミオがあこがれる女性の名である。ちなみにシェイクスピアが恋をするヴァイオラは『十二夜』のヒロインの名前。『恋に落ちた〜』のラストは『十二夜』の構想を練るところで終わってる――が実際のところはどうなんだろう。
 あまり資料のない著名人をあれこれ想像するのはおもしろい。

Hシーン 
ラブストーリー度 


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